単独ライブまでの道を考えて動画投稿を始めた

――エレガント人生を結成するにあたって、中込さんが山井さんに猛アタックをしたという話を聞いたんですけど、山井さんのどういうところに惹かれたんですか？

中込　最初に見たときはピン芸人で、他の人たちとは異質なネタをやっていて、奇妙なオーラがあったんですよね。

山井　普通だけど(笑)。

――いろんなネタ見てると、ちょっと違って見える瞬間ってありますよね。

中込　周りとは明らかに違かったんですよ。そこから話すようになって、普通に飲み友達として仲良くなりました。

――山井さんを説得するのは時間がかかったとか。

中込　そうなんです。さっき話した親へのプレゼンみたいに、男女トリオをやりたいという思いを伝えるために、ネタを何本か書いて祥子に提出したんだよね。

山井　もうすごかったです。周りの芸人に「私と組みたい」というのを言いまくっていたみたいで、芸人仲間から「あいつ、祥子のこと好きらしいよ」みたいな感じで、間接的に聞きました。私はトリオを組む気がなかったので、絶対にやらないだろうなと思っていました。

中込　僕は男性同士のコンビを解散して、もう次が最後だと思っていたので、想定したのが男女トリオだったんです。その女性は“絶対に祥子だ”って勝手に思っちゃったんですよね(笑)。だから、なんとしても組みたいという思いでアタックしました。祥子はすでにコンビを組んでいたので、本当はあまりよくないことなんですけど。

山井　私も女性とコンビを組んでたんですけど、このままだと“私のやりたいことができなさそうだな”とも思っていた時期だったので、最終的にやりたいことをやれるほうを選ぶことにしました。なので、結果的にいいタイミングだったのかなって。

中込　っていうことにしておいてほしいですね(笑)。

――山井さんがやりたいことっていうのは？

山井　NSCに入った頃、男女のカルテット(四人組)を組もうと思っていたんですよ。なんか面白そうだなと思って。男女トリオって一番近いじゃないですか。

中込　そういう祥子の理想は知らなかったですけど、結果的にタイミングがあったんですね。

――まさに運命ですね。

中込　はい、運命です。

山井　そうなんだ(笑)。

――コントだけではなく、YouTubeやTikTokも始めていますよね。SNSを活用しようと思ったのはなぜですか？

中込　単独ライブを毎年やってくような人たちになりたい、というのは目標としてあったんです。でも、人気も知名度もなくてお客さんも全然ついてないような状態で、どうしたら多くの人に見てもらって、単独ライブまでの道にたどり着けるかを考えたときに、YouTubeを使ってファンの方を増やすのはアリなんじゃないかと。

ただ、YouTubeやるにしても、ファンがいない状態で始めても登録者が増えないことはわかっていたので、まずはTikTokから始めることになりました。祥子は動画向きだなと感じていたので、TikTokをやってほしいとお願いして。

――「ホス狂あるある」や「マッチングアプリで知り合った人たち」など、さまざまなジャンルの人物や場面が登場しますが、どれも絶妙なラインをついてくる動画でばかりで納得感があるんですよね。動画のコンセプトはどのように考えているのでしょうか？

山井　いろんなジャンルやいろんな人間関係、いろんなキャラクターのどれにも偏らないように、ということは常に考えていますね。

中込　僕たちの動画は“あるある”とかで括られがちなんですけど、別に自分たちはあるあるだけをやってるつもりはなくて、あるあるの要素を含むものもあるし、そうじゃない“なしなし”もあるし、という感じなんです。つまり、いろんな人間関係を僕たちはやりたいんですよ。

――人間関係って、誰もが身近なものだからこそ共感できますもんね。どちらが考えているんですか？

中込　一緒に考えるよね。

山井　私がメインになるようなものは私が考えることもあるし、悠ちゃんがメインのものは悠ちゃんが考えたりすることもあるし。ニ人で話し合ってやることもあるし、さまざまですね。