みんなで支え合いながらの撮影でした

――他のキャストといえば、主演を務める日向坂46・上村ひなのさん、=LOVE・野口衣織さんといった面々ですが、皆さんとはすぐに打ち解けられましたか。

平澤 撮影前にお会いする機会があって。本読みやリハーサルのときに、かなり関係性を作れたんじゃないかなって思います。その時間があったからこそ、実際に現場に入ってからもすぐ自由に話し始めて、仲良くなっていった気がします。

――主演の“結愛せるふ”役を務める上村ひなのさんの印象は?

平澤 そのまんま、せるふちゃんだなってずっと思ってました。現場でもキャラクター同様ほわほわしていて、周りにお花がパァって舞ってあるのが見えるくらい(笑)。明るくて優しい方でした。一緒にお昼ご飯を食べてたときに、一口食べてから「あ、いただきます。もう食べてるけど」って言ってて、横で聞いてすごく癒されました(笑)。

――素でそんな感じなんですね(笑)。

平澤 「今、せるふちゃんがいた~!」って言ったら、「そんなことないよ~」って言いながらモグモグ食べてて(笑)。本当にかわいらしい方だなって思いました。

――せるふの幼馴染“ぷりん”役の野口衣織さんには、どんな印象を持ちましたか。

平澤 お会いする前はキリっとした方かなって思ってたんですけど、実際お会いしてみたら、すごく柔らかい方でツボが似てるかもって、勝手に親近感を覚えました(笑)。現場ではムードメーカーじゃないですけど、みんなのことを見つつも楽しく現場を回してくださったなって感じています。

――キャストの皆さん近い世代の方々ですし、現場も楽しそうな雰囲気ですね。なんでも撮影はロケ地で合宿という形で行われたとか。

平澤 そうなんです。今回、皆さんマネージャーさんもつかず、私たちだけで泊りがけでロケをしていて。だからこそ、みんなで協力し合って指示も出し合って、支え合いながら撮影できました。

私のキャラクターは眼鏡をかけているんですけど、お昼ご飯のあとに休憩所に忘れてきちゃったりして、そうすると他のキャストの方が「置いていったよー!」って持って来てくださったこととかもあって(笑)。みんなすごく優しかったです。

――合宿で絆も生まれ、キャスト陣の連携はばっちり取れていた感じですね。

平澤 掛け合いのシーンが多かったので、自分がこう動きたいなとか、アニメではこう動いていたなっていうのを現場の段取りで相談して、「ちょっとこっちに動きたいんですけど、それだとこっち側に動いてもらったほうがありがたくて」みたいに言うと、「あ、わかった!」ってすぐに変えてくださったりとか。監督やスタッフさん含めて、すごく相談しやすい環境でした。

 

――アニメの舞台でもある新潟県三条市で実際に撮影されたんですよね。町の印象は?

平澤 三条市はものづくりの町で、駅にコップや爪切りなど、町で作られた作品が並んでいるんです。ものづくりの歴史をそこからも感じましたし、駅を降りて天気が良いと奥の山並みが見えたりして。駅近くには田んぼもいくつもあって、自然豊かな素敵な場所だなって思いました。

――作中ではそういった景色も楽しめそうですね。

平澤 はい。町での撮影もかなりあったので、そこも楽しめると思います。

――人気アニメや漫画が原作の実写化は不安視される声もありますが、予告編が公開されたときに「アニメのままだ!」といったコメントもありました。原作のアニメファンの方も必見の内容となっていますね。

平澤 やっぱりアニメのほんわかした雰囲気が素敵な作品なので、「実写化になるとどうなるんだろう……」っていう声もあったと思うんですが、あの映像を見て皆さんが「キャラのまんまじゃん!」って言ってくださっているのが本当にうれしくて。

――先ほどお話にもありましたが、何度も原作を見てキャラクターを寄せていったわけですもんね。

平澤 そうですね。まだ撮影が終わってから一週間経っていないくらいですが、たくみんがまだ入っているというか(笑)。声も声優さんの声に寄せられないかと思って、普段より若干トーンを高くして、喋り方ものんびり、おっとりした雰囲気にして。あとは立ち方も若干内股なんですよ。そこも抜けてないかもしれない(笑)。

――そこは早く抜けてくれないと私生活で困っちゃう (笑)。でも、それだけ役をしっかり研究されて作っていったということですね。ちなみに平澤さんご自身は現在高校1年生。学校はもう慣れましたか?

平澤 まだ慣れないです。課題とかも増えて、かなり勉強に追われています。撮影と両立させつつなのでドタバタしてますけど、毎日が楽しいです。

――学校では何をしているときがいちばん楽しい?

平澤 友達と話してる時間ですね。一緒に帰って、帰り道に駅とか公園でちょっとお喋りしてから帰る、みたいなのがいちばん楽しいです。会話の内容は特にないんですけど(笑)。

――これから楽しみにしている行事などは?

平澤 文化祭は楽しみですね。中学からはやれることも増えて、コロナも明けてきたので、制限なく今年は開催できそうかなって。みんなで物を作ったり劇をしたり、それを披露するみたいな場がなかなかないので、そういうことができればいいなって思ってます。

――大道具なら今回のDIYで培った技術もあるし。

平澤 本当に! 電動工具なら任せてくれっていう感じですね(笑)。

 

プロフィール
平澤 宏々路(ひらさわ・こころ)
2007年9月21日生まれ。東京都出身。2009年(当時2歳)、CMでデビュー後、ドラマ『浦安鉄筋家族』、映画『トラさん〜僕が猫になったワケ〜』など多数の作品に出演。2020年には映画『アーヤと魔女』にて主人公・アーヤ役で声優デビュー。最近の出演作に、配信ドラマ『仮面ライダーBLACK SUN』(Prime Video)ヒロイン和泉葵役、『ラストマン-全盲の捜査官-』(第5話)など。Twitter:@Kokoro_Hirasawa