現実離れした独特過ぎる登場人物によって、実写はもはや不可能と言われた大人気ギャグ漫画のドラマ化が発表されると、情報は瞬く間に世間に広がり話題となった。 今回『ニュースクランチ』では、この超話題の春ドラマ『浦安鉄筋家族』で西川のり子役を演じる平澤宏々路(ひらさわ・こころ)に注目! 撮影現場の裏話から、将来の展望、素顔丸わかりのプライベートまで、ロングインタビューで彼女の魅力に迫ります。

やっと頭突きのコツがつかめてきました

――『浦安鉄筋家族』の原作を知っている人は、この作品の実写化にみんな驚いたと思います。


平澤 原作ものすごく面白いですよね。私も「これ実写化するの?」「どうやって表現するんだろう?」とか、色々思いながら読みました(笑)。

――西川のり子役を演じてみていかがですか?

平澤 今まで演じたことないんですよ、こんな活発な役(笑)。暴れたりもして、とにかく明るい元気な役です。演じていてすごく楽しい!

――原作を読んでのり子というキャラクターを知って、実際に自分が演じるとわかったときどう思いました?

平澤 私にできるかな~って(笑)。どうすればいいんだろうって、ずっと迷っていました。

――確かに。キャラクターが濃すぎて不安にもなりますよね(笑)。

平澤 でも、意外と不安よりもワクワクの方が強かったです。やったことない役に色々挑戦したいっていう思いが強いので……。

――実際に、撮影に入ってどうですか?

平澤 もう振り切るっていう(笑)。のり子は頭突きをよくするんですけど、のり子の頭突きは特徴的で、1回後ろに引いてから振りかぶって“バーン”ってやるんですよ。振り切ってやるぞ! って私は気合いが入っているので、演技中に強めの頭突きをしてしまうんです。小鉄役の斎藤汰鷹(さいとうたいよう)くんに、「ごめんね~」っていつも謝ってます。

――本当に頭突きしているんですね(驚)。宏々路ちゃん自身も痛そう!

平澤 初めて頭突きのシーンを撮るときに、“ボンッ”と鈍い音がしちゃって。これやばい、気をつけないと怪我すると思って必死にコツをつかんで……。テストのときに手を伸ばしていい距離感を見つけたり、力加減がやっとつかめました。でも、頭突きのシーンは今でもちょっと怖いです(笑)。

――キャラクターの特徴的な動作を原作にそこまで寄せているとなると、のり子の風貌も原作と同じイメージ?

平澤 はい、ツインテールですね。結構高めの位置で(笑)。しかもジャージ! 衣装替えが1回もないです。今まで経験したことないくらい衣装が楽です(笑)。

――共演者には、主演の佐藤二朗さん(大沢木大鉄:役)をはじめ、個性的な俳優さんばかりですね。佐藤二朗さんと言えば、アドリブが多そうなイメージですが……。

平澤 佐藤さんには、休憩時間に間の大切さとか、急にキャラが変わると面白いとか、演技についてたくさん教えてもらっています。アドリブはありますね~。表情とかセリフとか毎回違うから、のり子だったらどう反応するかなと必死に考えています。先輩方は、とにかく瞬発力がすごくて、「そのセリフそんなすぐに出ます?」みたいな(笑)。教わることが本当に多いです。

――その勢いのまま子供キャストにもアドリブが飛んでくるんですね。

平澤 バンバン普通にきますね(笑)。アドリブを使って自然なリアクションを引き出すことを結構大事にされていて……。こんなにハチャメチャなギャグ漫画なのに、日常に見せるっていうのがすごい!

――アドリブが飛び交う撮影は、毎回緊張するんじゃないですか。

平澤 のり子は関西弁を話すのですが、アドリブにも関西弁でリアクションしなくちゃいけないので、「イントネーション間違えちゃうかも」と毎回ドキドキしながらの撮影です。同じツッコミやリアクションだけじゃつまらないから違うようにしないと、とか。試されている感があります(笑)。でもこの前、監督に「関西弁いいじゃん。のり子っぽいよ」って言われて。演じていて、のり子っぽいって言ってもらえたことが1番嬉しかったです! ちゃんとのり子っぽくなれているんだなって。

――プレッシャーにも負けない強さが、12歳にしてさすが芸歴10年って感じですね。今後、お芝居をしていく上で目標みたいなものはありますか?

平澤 私、バイプレーヤーになりたくて。あの作品にもこの作品にも出ていて、いろんな役柄を演じ分けられるような、名脇役になりたいって思ってます。渡辺いっけいさんと1度お仕事でご一緒したことがあって、ちょっとした表情の違いだけでイメージを大きく変えられたり、雰囲気のある方ですごく憧れています。あと、将来は自分で脚本を書いたりもしてみたいです。

――宏々路ちゃん主演で?

平澤 私はもう、たまにいる……みたいな(笑)。あれ、なんか映ってない? 程度で大丈夫です(笑)。小さい頃からこのお仕事をやらせてもらっているので、これからも芸能やお芝居に関わる仕事をし続けたいですね。