先輩にも物怖じせず絡めるようになった理由
――優勝の実感はいつ湧きました?
古市 大会のあと、最初に劇場行ったときですかね。いろんな人に「おめでとう」って言われて、“本当に優勝したんだ”って思いました。
箕輪 神保町よしもと漫才劇場のインスタにライブのために集まった人たちが、テレビの前で応援してくれてる様子を映した動画が上がってたんですけど、それを見たときですかね、みんなが「金魚番長いけー!」とか言ってくれてて。でも、劇場に行ったら、素敵じゃないかの柏木(成彦)さんとかに「まぁ、子どもの大会やからな」みたいに言われて(笑)。そういうのもうれしいんですけどね。
古市 上の人はもう関係ないんで、素直に喜んでくれますね。あと、僕は100万円って書かれたパネルをもらったんで、帰るたびにそれを見て“あー優勝したんだな”って思ってます。今はソファーの後ろに置いてるんですけど。
――かなり大きかったですよね(笑)? 欲しいと言って驚かれませんでしたか?
古市 「本当にいりますか?」とは言われました(笑)。でも、欲しかったんで。
箕輪 僕も最初はもらおうかなと思ったんですけど、「もしかしたら、持ち帰りになるかもしれません」って言われたんで、すぐやめました。さすがにデカすぎるんで。
古市 結局、送ってもらえましたけど、デカいですね。
――他の大会でも持って帰る人は珍しいと思いますよ(笑)。祝福コメントといえば、オズワルド伊藤(俊介)さんは祝福しながらも「古市には、とにかく不幸でいてほしかった」とツイートされてましたね。
古市 伊藤さんは僕らのこと「おもしろい」と言ってくれてて。しかも以前、ライブで言ってたみたいなんですけど、伊藤さんは生まれ変わったら“なりたいツッコミ”が僕らしいんですよ。でも、ずっとイジってくるんですよね。ふざけやがって(笑)。
箕輪 僕も思いますけどね。なんでこんなヤツが人生充実してんだよ!って。
古市 そっち? 俺だってイヤな思いもしてるよ。
――(笑)。チャンピオンになってもイジれる人柄というのも、お二人の魅力じゃないでしょうか。
箕輪 これはNSCを主席で卒業してよかったなって思うことなんですけど、僕らは(優勝したことで)劇場のランクが他の同期よりも上からスタートしたんですよ。だから、最初からまわりは先輩ばかりだったんで、それで先輩に対する慣れみたいなのはできましたね。
古市 しばらく同期と一緒にならなかったです。
箕輪 だから、後輩と絡むのはめちゃめちゃ苦手です。
古市 後輩はイジってくれないし、だからといって僕らからパス出せないんで(笑)。
――でも、先輩たちと同じ舞台に立つというのは大きな経験ですよね。学んだことも多かったんじゃないでしょうか。
古市 ネタに関しては、すぐに影響を受けちゃうんで、僕はあんまり見ないようにしてるんですけど、平場とかコーナーとかエピソード系はめっちゃ勉強になりますね。
箕輪 平場って、なんも持っていかなかったら、何もできないんだって気づきました。
古市 平場のボケも急に出るものじゃないんで。あれだって今までの蓄積ですからね。
――『UNDER5』でやっていた勢いよく倒れるやつも、めちゃくちゃおもしろかったです(笑)。
箕輪 ほんとですか! (ボイスレコーダーに向かって)ニューヨークさん、聞いてる?
古市 届いてるかな(笑)。あれはネタに入ってたボケなんですけど、なんかのライブのときに平場でも使ってみたらめっちゃウケたので、そこからたまにやるようになりました。ニューヨークさんには「時代に合ってない」って言われましたけど(笑)。