プレッシャーよりも不安のほうが大きかった
――『最高の生徒 ~余命1年のラストダンス~』への出演が決まったときは、どんな心境でしたか?
みとゆな 昨年の夏に『わたしたちのツルちゃん。』というSNSドラマに出演させていただいたのですが、それまでは私には演技はできないと思っていて。でも、せっかく出演するならしっかり向き合おうと思って、演技のレッスンにも取り組んで、ようやく演技への抵抗がなくなったんです。
そうしたタイミングで今回オーディションを経て選んでいただいたので、決まったときは「なんで私なんだろう?」という感覚でした。でも、私を選んでいただけたということは、私にしか伝えられないことがあると思うので、作品を通して視聴者の方に伝えられたらいいなと思っています。
――プレッシャーはなかったですか?
みとゆな プレッシャーというより不安のほうが大きかったですね。今回は共演者の方が私を含めて7人がメインでいるんですけど、子役から演技をやられている方もいますし、私がドラマで見ていた方もいますし、演技経験がほとんどないのが私だけなんです。なので、その人たちにどうやったらついていけるのだろうかということばかり考えていました。
――みとゆなさんが演じられる鍋島聖衣良は、どのようなキャラクターですか?
みとゆな 聖衣良は私に似ている部分がたくさんあります。一度決めたことは絶対にやりたいという強い思いがあったり、SNSでどういうことをしたら伸びるんだろうと考えて分析していたり……。私もどうしたらファンの方が喜んでくれるかとか、どういうことを発信したらもっといろんな人に見ていただけるかを考えて高校生活を送っていたので、共感しながら演じています。
――戦略的にSNSを使われていたんですね。
みとゆな そうですね。やっぱり投稿するからにはファンの方に喜んでもらいたいし、いいものを見せたいという思いがあるので、投稿をどういう順番でしたら綺麗に見えてファンの方が喜んでくれるかなとか、どういう文章にしたらもっと距離を近くに感じてもらえるんだろうとか、そういうことは常に考えながら発信していますね。
――それは最初から考えていたことなのか、それとも試行錯誤しながらやってきたのかどちらだったのでしょうか?
みとゆな 試行錯誤しながら考えていきました。最初はファンの方からどういう反応されるのかもわからないので、ファンの方も敬語で、私も敬語で会話していたこともあったんです。でも、あるライブ配信でファンの方とは年齢も変わらないし、「友達みたいに接しようよ」と伝えたらファンの方が喜んでくれたんです。そこで私の現在のスタイルが確立されました。
――どのように鍋島聖衣良という役を作り上げていったのでしょうか?
みとゆな 私と重なる部分があるからこそ、感情移入ができる部分もあるのですが、やっぱり違う人間ではあるので、聖衣良が思っていることと私が思っていることを分けて考えてみました。監督さんやプロデューサーさんからは「この世界に存在してるような子にしてほしい」と言われていて、私も聖衣良をリアリティのある人物として演じるように意識しました。