7月クールで放送中のドラマ『around1/4(アラウンドクォーター)』は、アラサー前の25歳の男女5人が繰り広げる恋愛群像劇。子どもでもなく大人にもなりきれない25歳の“惑い”や“壁”を赤裸々に描いていく。

このドラマのヒロイン・早苗を演じるのが美山加恋だ。高校時代から付き合っていた彼氏と別れた早苗は、新たな出会いを通して、自分を見つめ直していく。早苗が新しい世界へ飛び出したように、美山も子役時代のイメージを打ち破るように、25歳のリアルを熱演している。

2004年に草彅剛主演の『僕と彼女と彼女の生きる道』で草彅の娘・凜を演じ、ドラマの大ヒットとともに“天才子役”として脚光を浴びた。当時7歳だった美山も現在は26歳。昨年デビュー20周年も迎えた。ニュースクランチのインタビューでは、同世代を描く今作へ掛ける思いや撮影秘話はもちろん、演じる早苗のように人生を変えたいと思った瞬間や恋愛観についても聞いた。

 

いろいろあるけど頑張って生きよう!

――どんなドラマになっているなと思いますか?

美山 まずタイトルの『around1/4(アラウンドクォーター)』という単語に「ん? どういうこと?」ってなると思うんですけど、25歳を人生100年のうちの4分の1というふうに考えて言い表したのがアラウンドクォーター(アラクオ)なんです。25歳の男女5人の夏のちょっとした出来事を描いていて、恋愛を通して何か節目を迎えようとしている5人の成長物語になっています。

――今作に参加するにあたって、どんな期待がありましたか?

美山 まず、役者としてすごくうれしいタイミングでいただいたお話だなと思っていて。というのも、この1年間ずっと舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に(嘆きのマートル役で)出演していて、ドラマは久々ですし、しかもヒロインを任せていただけるっていうことですごくうれしかったです。私に恋愛ドラマのイメージを抱いている人って、たぶんそんなに多くいるわけじゃないので、そんななかで任せていただけたことがすごくうれしいなって思いました。

あと、私は今26歳なので、25歳っていう等身大の役を演じられるっていうのも楽しみでした。いろんな役を演じたいっていうのはもちろん、その年齢でしかできない役を演じたいっていう気持ちもすごくあったので。それに『ハリー・ポッター』では上の世代の方との共演が多かったから、久々に同世代とガッツリお芝居ができるのもうれしいなって思いました。

――原作や脚本を読んで、演じる早苗という役に対してどんな印象を持ちましたか?

美山 早苗ってボロボロになったり、「よっしゃ、頑張ろう!」って無理やりギア上げたり、感情が忙しくて。早苗を通して、そういう経験ができるのがすごく楽しみだなって思いました。私自身はさっぱりした性格というか、浮き沈みがあんまりなくて、ベースが激しくはないので。実際、わりとタイトな撮影スケジュールだったのもあって、1日にいろんな感情でぐちゃぐちゃになりながら撮影していって、すごく充実した撮影期間だったなって思います。

――実際に早苗を演じてみて、どんな女の子だなと感じましたか?

美山 すごく素直な女の子ですね。目の前に起きた出来事をそのまま全力で受け止めて、どんどんどんどんいろいろ考えちゃう子なんです。この人がこういう反応をしたのは「きっと私がこう思われているからだ。じゃあどうしよう? ああすればいいのかな。こうすればいいのかな……」って。そんなふうにさんざん悩んで我慢したあげくに、高校時代から8年も付き合ってきた彼氏に振られてしまうっていう(笑)。

――友達にそういう子がいたらどんなアドバイスをします?

美山 でも、私も一人で勝手に考えちゃうほうですし、そういう不器用なところがある友達もいるので、すごく気持ちがわかります。それはそれでいいんじゃないかなぁ。別に器用に生きなくてもいいと思うし。なんでも素直に受け止めてしまうところも、早苗のかわいさではあると思うので。だから、アドバイスするとしたら「いろいろあるだろうけど、頑張って生きよう!」って言いますかね(笑)。

――彼氏に振られてしまうところから物語は始まりますが、そこから早苗にどういう変化や成長が訪れていくのでしょう?

美山 高校時代に初めて付き合った彼氏と同棲もしていて、恋愛に関してはそこしか早苗は知らなかった。そこが早苗のすべてのベースになっていて。そんな彼氏に「ずっとこのままじゃ、つまらなくない?」と言われて、振られてしまうんです。それで「私の今まではなんだったの?」っていう怒りと、私が見てきた世界はもしかしてすごく狭いのかもしれないっていう落ち込みから、自分の人生を変えなくちゃって思うんです。

そういうなかで、チャラくて苦手だったかつてのバイト仲間の康祐(佐藤大樹)にときめきを覚えたりしながら、自分自身を見つめ直していく。いろんな失敗をしながら、その結果、早苗がどうなるかは、ぜひドラマを見てもらえれば(笑)。いろいろな経験をしていく早苗の過程を楽しんでもらうドラマ、楽しんでもらえる役なのかなと思っています。

――主人公で相手役の佐藤大樹さん(EXILE/FANTASTICS)には、どんな印象を持ちましたか?

美山 すごく楽しい座長で何度も救われましたね。タイトな撮影スケジュールのなかで、佐藤さんはライブもあったりしてバタバタされていたんですけど、いつもポジティブで明るくて、現場を盛り上げてくれました。SNSでもいっぱい宣伝してくれて。佐藤さんが頑張っているから頑張らなきゃって、チームの士気を高めてくださる素晴らしい座長でありがたかったです。

――佐藤さんとの交流で思い出深いことは?

美山 お弁当の差し入れをこんなに何回も!ってぐらいしてくださって。しかも、そのお弁当に「必ず良い作品にしましょう!」みたいな直筆のメッセージカードが貼ってあるんですよ。

――ちなみに、どのお弁当が特に美味しかったですか?

美山 人形町今半のすき焼き弁当! とても美味しかったです!