中村俊輔が語っていた「セルティックが海外で試合をする理由」

サッカー日本代表の前田大然や古橋亨梧らが在籍するスコットランド王者のセルティックが、17年ぶりの日本ツアーを開催している。7月19日の試合は、前半だけで前田大然選手がハットトリックの活躍を見せたセルティックが3対2とリードして試合を折り返したものの、後半から出場した實藤友紀選手や宮市亮選手が2得点をあげる活躍で、6対4で横浜F・マリノスが逆転勝利を収め、J1王者の貫禄を見せつけた。

横浜F・マリノスとの対戦を控えた18日には、日産スタジアムでトークショーや記者会見が行われ、ツアーに対する意気込みや抱負が語られていた。

セルティックで語り継がれるフリーキック

ファンを招いて行われた「セルティックFCジャパンツアー2023スペシャルトークショー」では、古橋亨梧選手、旗手玲央選手、前田大然選手、小林友希選手、岩田智輝選手の5名に加えて、クラブのレジェンドでもある中村俊輔氏が登場。

2006-2007年シーズンのチャンピオンズリーグ(以下、CL)で、当時はセルティックに在籍していた中村俊輔氏がマンチェスター・ユナイテッド戦で決めた2本のフリーキックに関しても話題が及んだ。

「クラブのみんなから『中村俊輔のFKはすごかった』と言われる」というエピソードを披露した古橋選手に対して、中村氏は「CLレベルになると、キックだけしかアピールできなくて、それ以外には何もできなかったことを思い出させる」と複雑な思いを明かした。

続けて行われた記者会見には、セルティックFCのブレンダン・ロジャーズ監督と前田大然選手、対する横浜F・マリノスからはケヴィン・マスカット監督と宮市亮選手が登場し、試合に向けた意気込みを語っていた。

前田大然は「一年半ぶりに日産スタジアムに帰ってきた。楽しみでワクワクしている。自分らしさを出して勝ちたい」と、かつて在籍した古巣、横浜F・マリノスとの対戦に意欲を見せ、試合でも3得点を挙げる活躍で期待に応えた。

「前田選手、岩田選手といった元チームメイトと戦えることを楽しみにしている。お互いに良い試合ができたらと思います」と意気込みを語った宮市亮は、後半から途中出場し2得点の活躍で、6対4での勝利に貢献した。

この日、会場を訪れていた中村俊輔氏が囲み取材に応じ、かつて在籍した横浜F・マリノスとセルティックFCに対する思いや、試合の意義について言及した。

「(セルティックはシーズンの開幕前なので)選手同士もどんなプレーをするかわかっていないし、監督も代わったばかりなので、マリノスのほうが仕上がっていると思います。セルティックはシーズンが始まる前なので、まだ“試運転”のような感じ。(シーズン途中のマリノスとの対戦では)時期的なことはあるけど、瞬間瞬間はプライドが出ると思う。対面やポジションのゾーンで当たる選手のマッチアップは面白いと思います」と見どころを語っており、見事に試合結果を的中させた中村氏は、国内外のチーム作りの違いについても言及。

「僕が現役の頃もそうでしたが、セルティックをはじめとする海外のチームは、いろいろな国を回り、試合重ねていく。日本のJリーグにはないので、自分にとってもすごく勉強になりますし、個人的には(セルティックのチーム作りは)好きなやり方。マリノスもシーズン中なので、お互いベストな状態ではないけれど、どんな試合でも選手それぞれのためになることや得るものはあると思う」と、試合の意義を強調した。