キー局のアナウンサー試験に全落ち・・・

――この本を読むと、西澤さんの番組進行はしっかりとしつつも、振られたりイジられたときはしっかりと返すスタイルは、準備の賜物と『チャンスの時間』で千鳥さんから吸収されていったんだろうな、というのがよくわかります。

西澤 千鳥さんはキャリアの1年目からずっとお世話になっているので、お二人の横でお仕事をさせていただいてることに関しては、本当に感謝しかないです。正直『チャンスの時間』の初回放送とかは見返したくないですね、自分のスキルが全然足りてなくて(笑)。

――帯の裏には「キー局のアナウンサー試験全落ち」って書かれてます。かなりショッキングというか、普通であれば編集者から提案されても載せないと思うんですよね。

西澤 書いていただいてますよね(笑)。きっと、本当に落ちたての頃だったらとてもツラかっただろうな、と思います。でも、この言葉で覚えてくださっている人も多くて、今となってはツラくて悔しい経験があるからこそ、ABEMAでアナウンサーをできている自分がいるので、無駄じゃなかったなと思います。

――他の方の内定が決まったりとかを聞いて、そこで心かき乱されたという当時の心境も赤裸々に書かれてますよね。どんなふうにモチベーションを保っていたのですか?

西澤 モチベーションは保てていなかったと思います。全局落ちましたというときは、もうお先真っ暗すぎて、あれ? どうしたらいいんだっけ? という茫然自失の状態でした。でも不思議なんですけど、アナウンサーという道が全然開けてなかったのに、これまで勉強してきたことをなんとか形にしたい、自分の中の希望を捨てきれなかっただけだと思います。それが結果として良い方向に行ったのかなと思います。

――なるほど。どこかで諦めきれずに、ずっと心の中で思いながら生活をされていたというわけですね。

西澤 そうだと思います。そうでなければ、ABEMAで専属アナウンサーの募集があったとしても、“よし! 受けよう!”とはなっていなかったと思います。

――例えば、今まさに夢に向かって突き進んでいる人に「こういうことを意識しておくと、夢に近づけるよ」みたいなアドバイスはありますか?

西澤 そうですね……自分の経験からしかお話できないので、皆さんに当てはまるかはわからないのですが、アナウンサーを目指していた自分を振り返ると、1つ大きな武器を持っておけばよかったな、というのはとても感じます。それがなかったから落ちたんだろうなって。

アナウンススクールには熱心に通いましたし、そのための勉強はすごくしてきた自負があるんですけど、すべてが平均点くらいだったと感じるんです。だから、勉強して身につけられたことはたくさんあったけど、それ以外の人間力や、他の方々と違う経験が足りなかったんだなって。

――なるほど、含蓄のある言葉ですね。

西澤 いえいえ、偉そうに聞こえてないか、ドキドキしながらお話してます(笑)。でも、就活での自己アピールも毎回似たような話をしてしまった……その後悔があるんです。ただ、今すごく感じるのは、夢が叶ってから武器が見つかるパターンもあるし、その武器を他の方が見つけてくださるパターンもあるということですね。それは自分が身にしみて感じています。

これは、どの業種の方にも当てはまるんじゃないかと思うのですが、自分が人より秀でている部分を自分で理解していれば、夢を叶えやすいし、叶ってからもプラスに働くと思います。

▲自分の秀でたところを自覚するのが夢へ近づく第一歩

恋愛番組に出てみたい

――西澤さんが好きな章と、好きなカットをそれぞれお聞きしたいのですが。

西澤 どの章も思い入れはあるんですが、選ぶとすると「埼玉県蓮田市育ち」と「片道2時間×7年間」ですね。学生の頃の話とかは、これまで皆さんにお伝えする機会がなかったので、初めてお伝えできるうれしさと、書くにあたって思い出していたんですけど、楽しい思い出も苦い思い出もあって、こうしてエッセイを書く機会がなかったら振り返ることもないので、とてもよかったです。

――小さい頃の西澤さんの貴重な写真も載ってますね。

西澤 小さい頃の写真は、SNSとかに載せてないものを選んだので、そこも楽しんでもらえたら。新たに撮ったカットでいうと、やはり表紙でしょうか。この衣装は、私が水色や青色が好きと言っていたので、選んでいただいたものなんです。この衣装を着たカットには、表紙候補として海をバックにしたものもあったんですが、あえて緑を背景したものを選ばせていただきました。衣装と緑のコントラストが気に入ってます。

――では最後に、今後の目標をお聞きしていいですか。

西澤 ABEMAのアナウンサーって、こんな面白いことをしているんだ!って知っていただきたいなと思ってるんです。正直、こんなフォトエッセイを出すとか、身の丈に合ってないことをやっているな、という自覚はあるんです。

――そんなことないですよ…!

西澤 い、本当に思ってます(笑)。でも、このフォトエッセイもそうですし、ヤングジャンプさんで表紙をさせていただいたのも、全て身の丈には合ってないと思いながらも、これが私だけではなく、ABEMAのアナウンサー全体の周知につながればいいなと思ってやっているんです。

――この本を読んだら西澤さんに好感を持つと思います。

西澤 書店で初めて知っていただく方もいる思うんですけど、1人でもそういう方に知ってもらえたらいいなと思います。

――ありがとうございます、プライベートはいかがですか?

西澤 こんなことを言うと怒られるかもしれないんですが、恋愛ですね。もういつからお付き合いしてないんだろう、と思うくらいしておらず……。正直、好きな人とかはいたんですけど、実際にお付き合いなどはしていないので…(苦笑)。私くらいの年齢って、周りを見てもみんな恋愛しているんですよ。だから、恋愛番組を見て勉強ばかりしていないで、しっかりと実践していきたいな。

――そこまでストレートに言われるのに驚きました(笑)。

西澤 (笑)。

――ABEMAで企画していただけるといいですね。

西澤 あははは、そうですね。見る側じゃなくて、恋愛番組に出演させていただかないといけないですね(笑)。

▲8月5日にHMV&BOOKS SHIBUYAで待ってます!

<フォトエッセイ発売記念イベント>
『ABEMAアナウンサー西澤由夏です』 
日程:2023年8月5日(土)
会場:HMV&BOOKS SHIBUYA 6F イベントスペース
時間:16:00(1冊券) / 17:00(2冊券)
※予告なく「開催部(回)」「配券数」が増える場合がございます。
※本イベントはご購入いただいたご本人のみ(未就学児1名,または乳児との同伴は可)が参加できます。分配、転売、複製、譲渡、偽造行為は一切禁止とさせていただきます。それらの行為が発覚した場合は無効とさせていただき、入場をお断りいたします。
※当日券を用意しました。1冊券・2冊券ともに会場(HMV渋谷)にて購入可能です。