漫才を主にしながら『キングオブコント2020』でファイナリストとなった滝音。現在、初めての全国ツアー『実印スタンプラリー』の真っ只中の二人へツアーについて聞く。多くの同志が東京進出を果たすなか、大阪で活動を続ける理由も語ってくれた。
漫才では一人称を「あたし」としながら独特な節回しのさすけのツッコミと、軽やかな口調で飄々と掻き乱していく秋定のボケで注目を集める滝音。
『キングオブコント2020』でファイナリストとなってから活躍の場を広げている彼らは、現在、初めての全国ツアー『実印スタンプラリー』の真っ最中。大きな目標はないと言いながらも、好きなことであるお笑い、夢を叶えた芸人の道を実直に進んでいくために、日々の一つひとつに向き合っているようだ。
※本記事は『+act.(プラスアクト)2023年6月号』(ワニブックス:刊)より、一部を抜粋編集したものです。
一応、今のところは年表通り
――インタビューは3月中旬に行なっていますが、記事が出る頃には全国ツアーの真っ只中ですね。
秋定遼太郎(以下、秋定)「ルミネのあとくらいですよね。昨年NGKで単独をしたんですけど、(未来で)歴史資料館に僕らの衣裳が飾られてるっていうポスターをノリで作ったんです。そのなかに年表を入れたんですけど、2023年にツアーを敢行みたいなことを書いたんです。で、ほんまにやったら信憑性が増しておもろいよな、みたいな話の流れがあって」
さすけ「で、全国ツアーをやることになったんです。その年表では2030年にコールドスリープすることになってまして。2025年に冠番組のレギュラーを……でも、もう持ってしまったんですよね」
秋定「BSよしもとでな?」
さすけ「まぁ、地上波ではないからええんか。旅番組でタイトルも決まってるんです(注:『恩返しのリターンエース』)」
秋定「やから2年後、もしほんまに地上波で冠の旅番組を持ってしまったら、コールドスリープもしなあかんようになりますね」
さすけ「一応、今のところは年表通りです。東京吉本の芸人やったらルミネとかなんですかね? タイミング的にはツアーをやる前に所属している吉本の一番大きい劇場で(単独ライブを)やるのが先なんかなっていうのがあって。けど、やっぱりNGKは聖地なんでまだ早いというか、いいんかな?っていう気持ちもありました」
――そんな聖地で単独ライブをやってみていかがでしたか。
さすけ「結果としては、よかったような気がします」
秋定「ブカンさんも芸人ファーストな方で、最初にこんなんがやりたいんですけど、どうなんですかねって相談したとき、僕らが思ってるやり方では本来の見せたい感じにはならなかったんですけど、こうしたほうが見えやすいとかアドバイスをくださって」
さすけ「……え、ブカンさん?っていうのは?」
秋定「舞台監督さん。え、知らん?」
さすけ「いや、読者の方がわからへん可能性あるかなって」
秋定「いやいや、ほんならおまえが舞台監督さんね、って言うたらええやん。なんで読者目線で聞くん? てか、今の聞き方やったら読者そのものやん」
さすけ「(スルーして)その舞台監督さんっていうのは、どういうお仕事なんですか?」
秋定「言うたら舞台を……いや、もうええよ。あとで調べてくれ、舞台監督で!」
さすけ「(笑)。『ニッポンの社長・辻の耳をすますな!』っていうPodcastの番組で、舞台監督さんがゲストに来ていろいろと喋ってる回があるので、そちらを聞いていただけたらわかりやすいかと思います」
秋定「なんの告知やねん。とにかく、いろいろとやってもらえていい感じになったので、わりかし満足度は高かったです」
さすけ「NGKでしかできひんようなことをやらせてもらいました。やってよかったですね」