憑依型女優に憧れます!

――今年は朝ドラ、ガイドブック、地元に密着したお仕事が増えました。

中村 「『らんまん』に出演できたことは大きかったです。なにより両親が喜んでくれて。このお仕事を続けて10年になりますけど、いちばん喜んでくれたんじゃないかな? 父から“東京に送り出して良かった”というような言葉を言ってもらえたのはうれしかったですね」

――タイミングとしても、地元が題材として扱われるというのもすごいです。

中村 「この先、高知が舞台の朝ドラが製作されるかわからないので、今回は絶対に出たい! と思っていたんです。夢が叶って光栄です」

――地元の皆さんに喜んでもらえたり、話題作に出続けることはプレッシャーを感じたりしませんか?

中村 「日々、もがいています(笑)。10年やっていても、まだ新人みたいなもので。どんなお仕事でも、自分自身でプレッシャーをかけながら続けています。ただ雑誌の撮影はいちばん長くやっているお仕事でもあるので、少しはリラックスできる部分もあるけど、お芝居のときは吐きそう(笑)。そのくらいのプレッシャーと緊張感はいまだにあります」

 

――お芝居をするなかで、特別なことをされたりしますか?

中村 「私は準備しつくさないと不安な性格で。台本も可能な限り読み込んでいきますし、その役のためになりそうなことは全部やりたいタイプ。人生経験も人並みより少ない気がするので、1つの役を演じるとしても自分の経験だけじゃ足りないから、どんどんいろんなことを考えて、研究して、そうやって現場に臨まないと怖くて。下準備はかなりするほうですね」

――具体的にはどんな準備をするんですか?

中村 「その役に似ている友達がいたら会って話を聞いてみたり、本を読んでヒントを得たり……周りの意見も聞きながら、今はまだ自分に合うやり方を模索中です。役ですから、1つも共感できない、自分にないものを持ったキャラクターもいるんです。共通点がないからこそ、その子のことを考えるし、ツラくて苦しかったりもして壁にぶち当たってばかり。ですが、やりがいがあり、濃厚な時間で、そんなことも楽しんでいます」

――そこまで入り込むとプライベートでも役を引きずりそう……。

中村 「役のことについて考えて頭がいっぱいになっちゃうことはあるんですけど、その役になりきって生活することはないです。憑依型!? とか言いますよね。それぐらい常にスイッチが入っている方には憧れます。私はまだ、自分と役は別だと考えるところもあるので、羨ましいかも」

――今後いろんな役と出会うことによって変わっていくかもしれないですね。

中村 「会うたびに違う人格になっていたら、そう思ってください(笑)」

――最後に2023年も残り4か月。目標を教えてください。

中村 「最近、もっと人生を楽しみたいと感じているんです。常に頭の中を大きく占めているのが、お芝居とかお仕事のことばかりで、ちょっとでも仕事がうまくいかない時期が来ると、人生全部がダメになったような感覚になってしまって。だから下半期は、頭を真っさらにできる時間を作れるようにしたいと思います。お仕事、お芝居以外にも、同じぐらい楽しめる何かを見つけたい。バランス良く過ごしたいというのが、今の目標です」

 

プロフィール
中村 里帆(なかむら・りほ)
1999年8月6日生まれ。高知県出身。2013年、ファッション誌『ニコラ』の「第17回ニコラモデルオーディション」にてグランプリに選ばれ専属モデル(ニコモ)となる。2017年3月、ファッション誌『Ray』のレギュラーモデルに。並行し女優としても活動。昨年から今年にかけて『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(ABCテレビ)、『高嶺のハナさん2』(BSTX)、『星降る夜に』(テレビ朝日)、『なれの果ての僕ら』(テレビ東京)、『ドロップ』(WOWWOW)、と立て続けに話題作に出演。連続テレビ小説『らんまん』ではNHK朝ドラ初出演を果たす。今月には初のPhotoガイドブック『ろいろい高知旅』(https://www.asmart.jp/shop/nakamura_riho/product/10036988)を発売。Instagram:@__rihostagram__