9月から11月にかけて上演される「2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星』」。元禄の世を舞台に繰り広げられる本格バトル時代劇に、演技派アイドルとして注目される久保史緒里(乃木坂46)と、数々の話題作で中国武術仕込みのアクションを披露している女優・山本千尋が出演する。
生きていてはならない輩に引導を渡す引導屋の主人・藤壺屋半兵衛(古田新太)と、冷酷無比なはぐれ殺し屋・宵闇銀次(早乙女太一)が、ひょんなことから中身が入れ替わってしまう奇想天外なストーリー。久保が演じるのは、歌って踊って神を降ろしお告げを伝える踊り巫女・神降ろしのみさき。山本は引導屋の一人として裏稼業に携わる早風のいぶきを演じる。
ニュースクランチでは、7月に行なわれた製作発表直後の2人に取材を敢行。撮影中も楽しそうに二人で談笑するなど和やかな雰囲気だったが、よくよく話を聞いてみるとこの前日が初対面だったとか。インタビューでは憧れだった劇団☆新感線の公演に初参加する心境や、お互いの印象などを語ってもらった。
出たい出たいと言い続け、ついに辿り着いた
――撮影中楽しそうに談笑しているお二人の姿が印象的だったのですが、昨日初めて会ったばかりだそうですね?
山本 そうなんです、昨日の本読みで初めてお会いしました。話し掛けたくてタイミングを窺っていたんですけど、ずっと本読みに集中されていたので「これは邪魔できないな」と。
久保 あら、そうだったんですか!? 私はずっと緊張してうつむいていました……。私もお話ししたいと思っていたので、稽古終わりに山本さんが声を掛けてくださってうれしかったです。
山本 一応、私のほうが年上なので、私から行きました。なにせここから半年近く一緒に過ごすわけですし、最初につまづいたらまずいなと思って。
久保 いやいや! 私は本当に人見知りで引っ込み思案なので、来てくださってありがたかったです。もう山本さんに全部心を預けようと思いました。
山本 わぁ! じゃあ何かあったら私が守ります!
久保 心強いです!
――ではまず、『天號星』に出演することになった今の心境から聞かせていただけますか?
久保 私は、乃木坂46の先輩である西野七瀬さんが出演されていた『月影花之丞大逆転』(2021年)で、初めて劇団☆新感線さんの舞台を実際に観劇しました。その後も何作か見させていただき、エネルギッシュでパワフルなお芝居だと毎回感じていましたし、「いつか自分も!」という思いがありました。なので今回、初めて参加させていただくことが決まって、「まさか」という思いもありつつ、やっぱり素直にうれしいです。
山本 私は上京して初めて見た舞台が、劇団☆新感線さんの『髑髏城の七人 Season鳥』(2017年)だったんです。何も下調べもしないまま見たら、その迫力に圧倒されて! なかでも沙霧というヒロインに憧れて、これまで取材のたびにずっと「出たい出たい!」と言い続けてきました(笑)。
その後、(早乙女)太一くんと出会い、太一くんが「動ける女の子がいるよ」と伝えてくれたことがきっかけになって、ついに辿り着くことができました。まずはここに居られることに感謝をして頑張りたいと思っています。
――お二人とも劇団☆新感線の作品に憧れを持っていたんですね。となると、昨日の本読みや今日の製作発表は心が震えたのでは?
久保 おっしゃる通り憧れがすごく強かったので、昨日の本読みは気構えて行きました。ものすごく緊張したんですけど、お一人お一人とご挨拶をさせていただくと、皆さん「一緒に頑張りましょうね」と温かく迎え入れてくださったんです。新入りとして誰よりも頑張らなきゃいけないと思いつつ、そんな優しい空気に触れたことで少し肩の力が抜けた気がします。
山本 もっと固い雰囲気なのかなと思っていたんですけど、いざお会いすると親戚の集まりみたいな空気感でした(笑)。それこそ古田さんが私たちのことを「しーちゃん、ちーちゃん」と呼んでくださったり、そうそうたる先輩の皆さんが私たちを受け入れてくださるというのが心強く感じましたね。ここから半年一緒にいられるのが楽しみになりました!
――製作発表でも古田さんがお二人を「しーちゃん、ちーちゃん」と呼ばれていて、早くもファミリー感がありました。
山本 製作発表だからそう呼んだ、ってわけじゃないんですよ。昨日から呼んでくれていて。うれしいです!