大好きな田村ゆかりさんには…読んでほしくない!?

――この本は夢を追っている方にこそ読んでいただきたい本だな、と思ったんです。

伊達 本当ですか? プロ雀士になりたい方や、声優になりたい方も参考になるかわからないですよ(笑)。

――いえいえ、その仕事に限定しなくても、どういう気持ちと覚悟で夢を追いかけたらいいか、伊達さんの考え方は夢を追うことにおいて共通していると思うんです。伊達さんがどんな方に読んでほしいと思って書いたのか、聞いてみたいと思いました。

伊達 自分をいつも応援してくれる方に恥ずかしくない内容にしたいな、というのはすごく思ったんですけど、書いているうちにネガティブになってきて……こういうところ治さないといけないよなあ、と思ったり……。

――でも、それでいうと、伊達さんのファンの方はそういう部分も含めて好きなんだと思います。

伊達 そう言っていただけるとありがたいですね。自分の正直なところ、あと気が強いところ(笑)、そういうところが出てるなと思います。

――声優業界と麻雀業界の違いについて書かれた章も、とても誠実に、でも正直に書かれているなと思いました。

伊達 ありがとうございます。

――改めて思い入れのあるエピソードはありますか?

伊達 難しいなあ……でも麻雀との出会いは、自分で読み返していて、すごい引き込まれていく感じに書けたかなと思います。あとは、自分で読んでいても楽しい話、ベトナム旅行の話とか、ニュージーランドの留学の話などは好きですね。

――あとはなんといっても田村ゆかりさんについて書かれたところ、本当に田村さんが好きなんだなというのが伝わりました。田村さんに読んでいただきたい、とかはないですか?

伊達 いやいやいや! 恥ずかしい! 恐れ多いです! 大丈夫、大丈夫です。

▲本当は田村ゆかりさんにも読んでほしい…はず

写真撮影がめっちゃ嫌いなんです(笑)

――(笑)。その田村さんの章にも「二兎」の話が出てきますが、そもそもこのタイトルに決まった経緯をお教えいただけますか?

伊達 タイトルは本当ギリギリまで悩んで、一番最初に提案していただいたタイトル案は「二兎追うものだけが二兎を得る」だったんですけど、私はまだ一兎も得てないので、それはボツにさせていただいて。次は、このエッセイのエピソードタイトルにもなってる「夢見るチカラ」だったんですが、"そんなキラキラなタイトル、イヤだ! 私は似合ってない!”と思って、本当すみませんって感じなんですけど(笑)。

――(笑)。

伊達 本当ギリギリまで悩んだ結果、担当の方からこのタイトルを提案いただいて、それだったらいいですね、となって決まりました。タイトルも最初は『「好き」から天職へ』がメインタイトルだったんですけど「逆にしたほうがいいんじゃない?」って提案していただいて、このタイトルになりました。

――表紙も伊達さんの衣装の赤も含めて、合っていますよね。

伊達 本当に申し訳ないのですが、表紙もワガママ言わせてもらったんです(笑)。Mリーグでは「朱きヴァルキュリア」という異名をいただいているので、表紙も赤い服がいいんじゃないかとなって、このカットに決まりました。

――伊達さんの撮り下ろしカットが32Pもあって、ファンの方はうれしいと思うのですが、撮影はいかがでしたか?

伊達 (小さな声で)撮影めっちゃ嫌いで……。

――あはははは!(笑)

伊達 (笑)。でも、カメラマンの方もスタッフさんもプロで、普通こんなに衣装のパターンがあったら、もっと時間がかかると思うんですけど、考えられないくらいの速さで撮り終えてもらって、本当にありがたかったですね。ダラダラ長く撮ると、私が疲れちゃうってところまでわかってくださったんだ、すごい!って。