麻雀プロとして、ABEMAの人気麻雀コンテンツである『Mリーグ』で活躍する一方、声優としても活動していて、主な出演作に『アイドルタイムプリパラ』『ヲタクに恋は難しい』『アイドルマスターシンデレラガールズ』『咲-saki-全国編』がある伊達朱里紗。

最初に注目されたのは声優業、そこからプロ雀士となった彼女は色眼鏡で見られることも多かったというが、デビュー2年目でタイトルを獲ることで周囲の評価も一変し、2022-2023シーズンでは個人MVPを獲得するなど、今や名実ともに高い評価を誇っている。

そんな彼女の初のフォトエッセイ『伊達朱里紗は二兎を追う ~「好き」から天職へ~』(小社刊)が9月27日に発売され、渋谷での発売記念イベントも10月15日に予定されている。生い立ちや日々気になること、声優と麻雀仕事、自身の内面など、パーソナルな部分を綴っているが、この本を書くことになったキッカケや彼女のこだわりについてインタビューした。

▲伊達朱里紗 【WANI BOOKS-NewsCrunch-Interview】

フォトエッセイは最初で最後!?

――新刊の発売おめでとうございます! まずは本を出すキッカケをお聞かせください。

伊達朱里紗(以下、伊達) 出版のお話をいただいたとき、この本でも対談させていただいた瑞原明奈さんがエッセイを出されるというニュースを見かけていて、すごくステキだなと思っていたのと、私自身、エッセイやエッセイ漫画を読むのがとても好きで、自分がやらせていただけるなら、ぜひ! という感じで、二つ返事でOKしました。

――じゃあ、書いたりするのがもともとお好きだった…?

伊達 いや、それがもう一切っていうレベルで書いてこなくてですね(笑)。例えば、読書感想文とかも苦手すぎて、小説をまるまる書き写して提出してたくらいで……苦手意識がありました。

――そんなことを感じないくらい、とても素晴らしい文章力だなと感じました。

伊達 ありがとうございます。“苦しい、苦しい”“ツラい、ツラい”と思いながら書いてました(笑)。

――執筆作業はどのようにされていたんですか?

伊達 最初は自分の家で、ベットで寝転んだりしながら、iPhoneのメモ機能を使って書いてたんです。ただ本にも書いたんですが、私がすごくドライアイで……もうダメだと思ってパソコンで書いてみたら、“こんなに書きやすかったのか!”って驚きました。

――(笑)。最初からパソコンで書けば……。

伊達 いやいや、私の中では家で寝転んでリラックスしながら書いたりとか、あとは移動中に書いたりするのがよかったんですけど、でもパソコンの便利さに助けられました。ただ、エッセイを書くのは最初で最後になるかも…(笑)。

――えー!

伊達 この本の帯に「1st」って書かれてて、“勝手に書かれてる!”って思いましたし(笑)。

――その話は置いておくとして…(笑)。この本を読んでいて強く感じたのは、伊達さんの真面目さ、ストイックさです。1から10まできちんと説明したいという気持ちと、本当は忘れたいことやツラいことにも向き合って書かれている。とても大変な作業だったのではないかと思いました。伊達さんはどういうところを意識して書かれましたか?

伊達 そうですね、私を知ってくれた方には、やはり麻雀のプロリーグ、Mリーグをきっかけに知ってくださった方が多いと思うのですが、プロ雀士としての私だけを知ってくださってる方、声優としての私だけを知ってくださってる方、もっと言うと、本を手に取るまで私のことを知らなかった方、全員に伝わるように気をつけて書いたつもりです。

――なるほど、そこまで各方面を意識されると骨が折れる作業だったでしょうね。

伊達 はい。でも、やっぱり麻雀を知ってる方なら絶対知ってることでも、きちんと説明したかったんですよね。しかも、それだけ意識して書いたつもりでも、今こうしてまた読み返すと、“ああ! ここもっと説明すればよかった!”って、今まさに感じているところです(笑)。

▲全員に伝わるように気をつけて書いたと教えてくれた

先輩雀士・勝又健志からの言葉で自信がついた

――そういう面でのストイックさが文章に昇華されていると思います。そのほかに、書いてみて気づいたことはありますか?

伊達 さきほど仰っていただいたように、自分では悔しかったり、あまりいい思い出ではないことも書いているんですが、私自身、そういう出来事をずっと引きずりがちな部分があるんですけど、こうして文章にしたことで、そういった出来事を自分の人生ながら俯瞰で見ることができて、消化できたような、デトックスできたかなと思ってます。

――伊達さんの記憶力にも驚かされました。

伊達 自分では記憶力が特別に良いとは感じてなくて、今回こうやって書くことで思い出したことがいっぱいありました。特にこの本では、自分の人生の中で印象に残った出来事ばかりを抽出して書いたので、鮮明に思い出せたのかもしれないです。

――この本にも印象的な言葉がたくさん出てきますが、記憶に残ってる他者からの言葉ってありますか?

伊達 Mリーグに参戦した2年目の後半に、自分の中で麻雀に苦しんでいて、“このままじゃダメだ、もっと内容よく打たないと”って、自信をなくしていたんですが、同じMリーグのEX風林火山というチームの勝又健志さんとお話する機会があったんです。

そのとき、勝又さんが別のタイトル戦の私の麻雀を見てくださってたみたいで「あの麻雀を続けているなら、絶対に勝ち続けられるし、Mリーグで勝ってるのも偶然じゃない。知らない人は運で勝ってるって言うかもしれないけど、勝つべくして勝ってるから、自信を持って大丈夫だよ」と言ってくださって。本当に自信を喪失している真っ只中だったので、とても救われました。

――結果は出ていたけど、自分の中で納得がいってなかったということですよね。

伊達 そうなんです。勝ってはいたけど、自分の中で振り返ったときに“あそこの内容が悪かったな”と思うことがすごく多くて。でも、勝又さんは私がプロ試験を受ける頃から先生として見てくださってた方だったので、そうやって自分のことを知ってくださってる方に言ってもらえた、ということも自信になりましたし、今でもツラいときに思い出しています。