サルゴリラの転機はバイク事故?
――2回目のトリオであるジューシーズを解散して、2016年からサルゴリラとして再始動しましたが、決勝進出までの期間はお二人にとっていかがでしたか?
児玉 めちゃくちゃ長かったですよ。大変だったもんな。
赤羽 大変だったな~。
児玉 初めてサルゴリラになってネタライブをやったときは、こいつが緊張し過ぎちゃって。コント中にケンカするシーンで距離感がわからなくなって、マジで拳を顔面に当ててきて、僕が流血しちゃったんですよ。「ちょっと、一回やめます」とか言って終わってね。あと、初めてテレビに出たときも、ポロっと出ちゃった俺の天然ボケみたいなのに、こいつが爆笑し過ぎて、そのまま気絶したんですよ(笑)。
赤羽 あったなぁ(笑)。二人になって初めてネタをやったときは、NSCで初めてネタ見せしたときよりも緊張してたかもしれないです。サルゴリラになってから3年間くらいはずっとそういう感じでした。
――芸歴もそこから新たに始まった感覚ですか?
赤羽 そうですね。ずっと1年目みたいな感じでした。
――その緊張感を脱したのは、何かきっかけや転機があったんですか?
赤羽 4年前くらいに僕がバイクで事故ったんですけど、それは大きかったかもしれないです。大きな事故だったので、入院初日の夜に鏡で自分の顔を見たら血だらけで、そのときはもう続けられないんじゃないかと思いました。
――そのとき児玉さんは?
児玉 集中治療室に入ってたんで、状況がわからなかったんですよ。だから、無理なのかも……とはよぎりましたね。メカみたいになって帰ってくるんじゃないか、とか。
赤羽 芸人のあいだで変な噂が広まり過ぎて、最終的に培養液みたいなところに俺の脳みそだけ浸かってて、Siriみたいな声でしゃべってたって噂されてたみたいなんですよ。でも、あの経験があったから今年、決勝に行けたので結果的にはよかったです。
児玉 マジで死にかけて何がよかっただよ! こっちは大迷惑だったよ(笑)。
赤羽 本当にリアルな話をすると、事故ったことでお金がもらえたので……。あれがなかったらって考えると震えます(笑)。
児玉 そういう意味なの?
赤羽 それがなかったら続けられなかったかもしれないんで、本当に。ネタも事故をきっかけに良いほうに行ったので。
児玉 ネタと事故は関係ないです。
――でも、本当に笑い話にできるようになってよかったです(笑)。児玉さんにとっての転機はありますか?
児玉 『キングオブコント』でいうと、2020年の2回戦が大きかったですね。それまでは、ウケやすさを優先してたんですよ。だけど、2020年は俺らが好きなネタをやったんです。そしたら、それがちゃんとウケたので“この感じでいけるんだ”って。その年に初めて準決勝に行けたんで、転機は事故ではないです。
――お二人が楽しんでいる空気感が伝わったのがよかったんですかね。でも、鬼越トマホークさんやニューヨークさんのYouTubeなどでも、お二人からは悲壮感を感じないって言われてましたよね。
児玉 どこでも言われますね(笑)。がんばってるつもりなんですけど、そういうのがなんにも伝わらないですよ。なんか、ゆるいんでしょうね。
――やめようという話が出たりしたことはないんですか?
児玉 そんな話はしたことないですね。