ポップしなないでらしいリード曲「魔王様」

――楽曲についてもお聞きしたいので、まずはリード曲の「魔王様」から教えてください。

かわむら この曲は完成したときに“リード曲になるだろうな”と感じてました。歌詞がまだ全然完成していない段階で、かめがいさんにも「タイトルは魔王様でどう?」と連絡したら、最大スーパーいいねをくれて。

かめがい 100万回いいね押した!

かわむら ポップしなないでらしさもあり、自分たちが面白い楽曲にできるテーマだなと。最近はテーマが大きくなりがちな部分があったんですが、「魔王様」は1つのテーマにスポットライトを当てています。結局のところ、勇者であろうが魔王様であろうが、立場は違えど同じ人と人だということを歌詞に込めています。そのテーマ感がすごく気に入った楽曲になっていますね。

――立場や評価を気にしがちですが、まずは同じ人間なんだと。

かわむら そうですね。今の風潮がすごく嫌いというわけではないですが、“こうあるべき”と評価や立場が先行している気がします。1対1で相手のことを考えるのが難しい世の中になっている気がするんですよね。ちゃんと自分と相手に向き合い、考えることも僕たちは大事だと思っているので、共感していただける方がいたらうれしいですね。

――レコーディングはいかがでしたか?

かめがい 「魔王様」は今までの曲で一番音域が広いんです。すごい低音から高音まであって、歌っていて楽しいですね! 1番のAメロに「正直現実ってつまらないよな」という歌詞があるんですけど、そこだけめっちゃ低いんですよ。

後付けではあるんですけど、低音で歌っていることで“投げやり感”が出ていて面白いなって。ポップしなないでは、無情なことを高らかに歌うことが多いんですけど、投げやりな感じが気に入っています!

かわむら 我々は制作するときはすっごい考えるんですけど、最後の最後は適当というか。例えば、ライブでも“準備したんだから、あとは出るもんが出たらそれでいい”というスタンスなんです。

かめがい 準備だけはちゃんとやろうってね。

かわむら いっぱい考えてたくさん準備するけど、結局は気合いなんです。

かめがい 本当にそうだよね。私も歌い方を綿密に計画立ててやるんですけど、最終的には「ハートでしょ!」って。

 

『ニンジャラ』とは奇天烈な部分に親和性を感じる

――1月24日に先行配信された「白昼きみとドロン」は、TVアニメ『ニンジャラ』のタイアップに決定しています。

〇【MV】ポップしなないで「白昼きみとドロン」

かわむら おこがましいかもしれないんですけど、ニンジャラと我々は世界観が近いと感じているんです。可愛らしいけど、確固たる世界観があるところなど。

かめがい うちらも忍者だしね。

かわむら そう、忍者みたいなもんです。大人のキャラクターが子どもの姿になってたり、奇天烈な部分に親和性を感じるんです。全く違和感なくポップしなないでとニンジャラが重なる楽曲になったように感じますね。

かめがい うまく合体したよね。

――楽曲制作で新しい試みも?

かわむら 他のタイアップ作品もそうなんですが、作品に寄せて自分たちを変質させるのは違うと感じています。ニンジャラという世界観に無いであろう、自分たちの世界観を意図して入れました。ただタイトルに「ドロン」と入っているように、“忍者”という要素が入ることで面白みが増したと思います。

――「ドロン」という音感は、ポップしなないでらしくも感じました。タイアップ曲と知らなくても自然に受け入れられるような気がします。

かわむら 確かに「ドロン」は使う音感かもしれないですね。

かめがい ドロンって、バイバイのときでしょ。「これにてドロンさせていただきます!」みたいな。その感じは私たちのライブ終わりに近いかもね。「これでライブ終わり! バイバイ!」みたいな感じなので。

かわむら 実際に使うしね。「今日はこれにてドロンさせていただきます」って。

かめがい ……あ、そうなんだ。もう使わないでほしい。

全員 (笑)。