シンガーソングライター・かめがいあやこ、THIS IS JAPANとして活動している、かわむらが出会い2015年に結成された「ポップしなないで」。混沌としている日本の音楽シーンにおいて、“セカイ系おしゃべりJ-POP”を掲げる唯一無二の世界観で、着実に知名度を広げつつある。
そんな彼らは、2023年2月にリリースした2ndフルアルバム『戦略的生存』で、日本コロムビアからメジャーデビューを果たした。現在は「合言葉はトキメキ」ツアーを開催しており、ラストを飾る東京公演ではLIQUIDROOMでのワンマンライブも控えている。メジャーデビューという新たなスタートを切った二人に、バンド結成の経緯から新作のこだわり、今後の展望などをニュースクランチ編集部がインタビューした。
二人なら勝ち目があるポップミュージックができる
――2015年に結成されたポップしなないで。改めて結成の経緯から聞かせていただけますか?
かわむら かめがいさんとは、もともと大学のサークルの音楽仲間だったんです。コピーバンドを一緒にやっていて、フィッシュマンズやユニコーンといったバンドの曲をやっていましたね。大学を卒業してからは、THIS IS JAPANというロックバンドを始めたんですが、そこではコンポーザーが自分ではなかったので、自分でも曲を作りたいなとずっと思っていて。
その頃に、かめがいさんの弾き語りライブに呼ばれて行ってみたら、お客さんはまったく入ってなかったんですけど、かめがいさんのクリエイティビティがすごく尖っていたというか、他の人にはない魅力を感じて「一緒にやりませんか」と自分から声をかけました。
――そこからポップしなないでが結成されると思うのですが、そもそもバンド名はどうやって決められたんですか?
かわむら 正直、あんまり覚えてないんですよね。結成当初からいろんな人に聞かれて、適当なことをずっと言っていたら、わかんなくなっちゃった(笑)。ただ、バンド名を先に決めてから、やり始めたわけではないです。
かめがい そうだったね。いつの間にかライブも決まって、バンド名を早く決めないといけないって感じだったよね。
かわむら そう。そこまで覚えているんですが……。
かめがい それで、かわむらくん考えたんだよ。
かわむら そうだなとは思いますよ。
かめがい 私はポケモンが好きなので、略したらポケモンの名前になるバンド名を一生懸命に考え続けていたことだけは覚えています。どうしたら略してウパーになるのかって永遠に考えていました(笑)。
かわむら なんの役にも立たなかったことは覚えています(笑)。
――かめがいさんはキーボード、かわむらさんがドラムという珍しいバンドの構成ですが、なぜこのスタイルに決めたのでしょうか?
かわむら “バンドをやろう”という思いでスタートしたわけではなくて、ただ二人を最小単位にして何かやれることはあるんじゃないか、というところが出発点だったんです。
かめがいさんが弾き語りで曲をやっていたので、そこに僕がビートで参加したら、いい楽曲になるんじゃないかという思いがありましたし、言葉がちゃんと聞こえて勝ち目があるポップミュージックが二人でできるんじゃないかと思っていました。我々がそれ以外できなかったという理由もあるんですけど。
かめがい 私は人がいっぱいだと緊張してしまうので、二人でよかったなって最初から思っていました。
かわむら あとはお金ですね。
かめがい そうだね。やっぱり山分けは二人がいいかなって。
かわむら 多いと食わせていけないからね。
かめがい 予定も合わせやすいしね。
――たしかに数が多ければ多いほど大変な部分もありますよね(笑)。となると、ベースやギターを入れる構想はまったくなかった?
かめがい メンバーにはないね。
かわむら その都度入れたいというのは正直ありました。この音像でトップに登り詰めてやるという気持ちは全然ないんですけど、メンバーとして入れるということはなかったし、これからもないと思いますね。
かめがい ないと思うね、二人の見栄えいいし。