解散したからわかることってあるんですよ

――ネタ合わせはどんなふうに進めているんですか? 武智さんがネタの台本の全てを書かれているんですよね。

武智 そうです。台本を渡してから2~3日とか5日くらい憶えてもらう期間があって。憶えたら立ち稽古をして、細かいところを修正してから、お客さんの前に出すという感じですね。

田中 僕、ネタを憶えないといけないんですけど、年々、記憶力が衰えていて。ネタによっては2行くらいのセリフやのに、なんか入ってこうへんっていうか、1週間経っても憶えられへんときが……。特に歌ネタとか脈絡のない歌詞の羅列やと大変で。

武智 確かにそういうネタは憶えにくいと思います。会話の流れでどんどんヒートアップする感じやったら憶えやすいんですけど、関連性のないセリフは大変やと思います。

――憶えにくいから変えてほしいって、お願いすることはないんですか?

田中 いやいや、言えないですよ、そんなん。ダンスみたいなもんで、体に染み込ませるようにめちゃくちゃ練習するしかないんです。ただ厄介なのは、ネタって改良したりして変わるじゃないですか。(最初のセリフが)染み付いてるから上塗りがなかなかできないし、緊張すると最初に憶えたボケが浮かんできて、“どっちやったっけ”となるんで、『M-1』のときとか怖かったですね。

武智 今回はストレートに憶えてもらうだけなので、その辺は大丈夫なんじゃないかと思ってます。ネタでいうと、愛媛はNGKの昼出番でやるようなネタを中心に、東京と大阪はエッジを効かしたネタをやろうかなと。福岡はどちらもやろうと思ってますけど、ゲストがギャロップなんでお客さんはあんまり来てくれんかもな。

田中 そんなこと言うな! お互いさまやからね。

武智 (笑)。お互いさまやし、福岡までわざわざ来てもらうからな。大阪はゲストがナイツさんなので即完したんですよ。ナイツさんのお陰です。

田中 めっちゃありがたいですね。

武智 東京もゲストがダイアンなので売り切れると思います。ダイアンのおかげです! もしこれを読んで興味を持ってくれた方がいたら福岡へ来てください! あと愛媛も。

――20周年については、改めてどんな思いがありますか?

武智 2003年にコンビを結成して昨年で20年。僕らほどいろんな紆余曲折があったコンビはいないんじゃないかなと。僕が3回炎上して、田中が2回飛んでるので波乱万丈ですよね。和牛が解散を発表しましたけど、あんなに売れていて人気があるコンビでも、そうなってしまうなか、僕らは地味に低空飛行しながら、よくぞ20周年までたどり着いたなと。だから、今回のツアーのタイトルも『なんとか、ここまで来れました』なんですけど、続けてこられてよかったです。

田中 和牛も解散するけど組み直すこともあるかもしれないですよね。解散してからわかることってあるから。

スーパーマラドーナさんへのインタビュー記事は、発売中の『+act. (プラスアクト) 2024年3月号』に全文掲載されています。