M-1チャンピオンからの金言

――福岡に劇場ができて、関東や関西の先輩方と触れ合う機会が増えたと思うのですが、印象的だった出来事やかけられた言葉みたいなものがあったら教えてください。

あらた:印象的な言葉でいうと、令和ロマンの(髙比良)くるまさんからもらった言葉ですかね。ありがたいことに可愛がってもらっているんですけど、『M-1』優勝する1週間前ぐらいに僕が誕生日プレゼントをいただいてから、その流れでLINEが続いていたんです。そのときに優勝されて「優勝おめでとうございます!」とLINEを送ったら、くるまさんから「お前らでもいけるってことを証明してきたぞ!」って返信がきたんですよ。

――かっこいいですね。

あらた:「若いから、地方だから」っていうのは関係ないんだなと。決勝戦にまで行けたらみんなに(優勝の)チャンスがあるっていうのを証明してくれて、その言葉は心が震えました。

――原さん、思い浮かぶ言葉などありますか。

原:インディアンスの田渕(章裕)さんとお酒をご一緒させてもらったときに「周りのやつらは“面白くない”とかネガティブなことを言ってくるかもしれない。でも、どんな手を使ってでもウケさえすれば勝ち」って、サラっと言われたんです。その言葉を聞いたときに田渕さん自身が体現しているなって。すごい説得力があったというか。

▲先輩からいただいた金言を教えてくれた

――とらんじっとさんは「福岡ネクストエイト」と呼ばれるメンバーに入っていますね。

原:福岡よしもとの社員さんたち……偉い方々も含めて、たくさんの若手を長期間にわたって見ていただいて、そのなかから選抜していただいた8組が福岡ネクストエイトと呼ばれています。自分たちで言うのもなんですけど、推していきたいのがその8組なのかなという認識ではありますね。

狙うは優勝のみ! 『UNDER5』ラストイヤー

――『M-1グランプリ2023』は3回戦で敗退という結果でした。この結果については率直にどう受け止めていますか?

あらた:まず、これまでと変えた部分として、東京じゃなくて大阪で受けるようにしたんです。

――それは何か理由があるんですか?

あらた:ありがたいことに、東京や大阪の劇場に出させてもらう機会をいただけることが増えてきて、出るうちに空気感とかも肌でわかるようになってきて。大阪のほうが、ネタのウケ具合の感触が良かったんです。作戦が功を奏して2回戦は突破できたんですが、3回戦で敗退となり……。同期や年齢の近い人たちがもっと上に行っているんで、悔しいですね。

振り返ると、ボケの僕からすると「範囲を決めちゃっていたかな」って。例えば「1ボケの顔の作り方はここら辺でいいだろう」みたいな。そうじゃなくて、そこを飛び越えて、顔の作り方でもう1つ、2つ上の笑いをとれるように、そこも作っていこうと。

――大きい大会の前には二人で会議みたいなものはされるんですか?

原:話し合うためだけに時間や場所を決めてというのはないですね。ただ、賞レース前とかは、普段の会話のなかで“今までやったネタで一番反応が良かった”と感じたものを話し合って、やるネタを決めています。

――とらんじっととして「今年はこれを必ず成し遂げたい!」ということはありますか。

あらた:『UNDER5』の決勝、『M-1』の決勝は見に行きたいなって。見に行ったら何か自分の中で変わるかなと思っています。

原:見に行きたい…!? 舞台に出るのではなく、お客さんとしてってこと? なに言ってるの?

あらた:『UNDER5』〔※出場資格は芸歴5年目以下の芸人〕はラストイヤーなので優勝したいです。