4月20日(土)・4月21日(日)の2日間にわたって開催された『島ぜんぶでお~きな祭 第16回沖縄国際映画祭』のフィナーレを飾る音楽ライブ「Laugh&Peace LIVE」。MCは映画祭を盛り上げ続けてきたガレッジセール(川田、ゴリ)が務め、宮沢和史、かりゆし58、親川遥、MindaRynらが出演した。
フィナーレにふさわしいアーティストによる熱演
オープニングアクトは、アニソンで人気を博すタイ出身のシンガー、MindaRynが登場。ギターをかき鳴らしながら、アニメ『戦国妖狐 世直し姉弟編』のオープニングテーマ『HIBANA』を熱唱。沖縄どころか、日本に来たのも今回が初めてというMindaRynだったが、堂々としたステージでライブの幕開けを飾った。
オープニングムービーのあとにMCのガレッジセールが登場。ゴリは「16年間続いた沖縄国際映画祭の、最終日の本当に最後のイベントです! 盛り上がりましょう!」と観客に語りかけ、かりゆし58を呼び込んだ。
かりゆし58は沖縄国際映画祭に第2回から出演。MCではボーカルの前川真悟が沖縄国際映画祭への感謝を述べた。代表曲の『アンマー』からスタートしたライブは、途中、『手と手』でMindaRynを呼び込み、会場を巻き込んだ大合唱に。そのまま、かりゆし58とMindaRynによる、夏川りみ『涙そうそう』のカバーを披露。最後は、最後の沖縄国際映画祭に華を添える名曲『オワリはじまり』で感動的なステージは幕を閉じた。
その後は、第二部がスタートし、宮沢和史の紹介のもと、琉球古典音楽演奏家の親川遥が登場。
『揚作田節』や『伊集早作田節』などの琉球古典音楽の名曲を披露。沖縄で聞く琉球古典音楽の素晴らしさもさることながら、親川の圧倒的な歌声に会場が包みこまれるようだった。
その後、親川遥と宮沢和史による『島唄 ~琉奏~』が披露され、さらなる息吹を吹き込んだ名曲に涙する観客の姿もあった。
そして、ライブ全体のトリとなる宮沢のステージがスタート。沖縄で活躍しているバンド・HoRookiesをバックに『Drawing it』からライブがスタート。会場には子どもから大人まで、幅広い世代のファンが詰めかけていたが、楽曲に合わせて体を揺らす姿が印象的だった。
今年で音楽活動35年を迎えた宮沢。「ちょっと懐かしい曲をやります。わかる人は一緒に歌ってください」というMCのあとに披露されたのは『星のラブレター』。イントロが流れた瞬間、多くの観客が歓声をあげ、宮沢のボーカルに合わせて歌う人も多かった。
「僕が沖縄に来るようになった90年代前半、まだ沖縄と本州には見えない壁があったような気がします。でも、その壁がだんだん薄くなっていった。そしてなによりも、この沖縄国際映画祭があったおかげで、しっかりとした橋が架かったような気がします。このイベントが終わったとしても、このゆるぎない橋がずっと架かったままであることを信じています」という言葉は、沖縄をずっと見つめ続けてきた宮沢だからこそ。
『風になりたい』でも大合唱が起き、最後は出演者全員を呼び込んで、三線、琉球國祭り太鼓による『シンカヌチャー』を披露。曲の終わりに川田とゴリが「16年間ありがとうございました!」と叫ぶと、客席からも「ありがとうー!」という声が飛び、沖縄を盛り上げ続けた国際映画祭は大団円を迎えた。
ライブ後の囲み取材には、ガレッジセール、宮沢和史、かりゆし58、親川遥、MindaRyn、宮川たま子が参加。
この映画祭を盛り上げ続けてきたゴリは「なんてステキな映画祭なんだろうって、毎年感じてました。最後にみんなが出てきて歌ってるときに、お客さんの顔を見ながら“最後なんだ”って噛みしめながら涙が出そうになちゃって。でも、“さみしい”じゃなく、“やりきった”。こういう映画祭が16年も続けることができてありがとう」とコメント。
川田は「沖縄県外から来た人は、今までよりも深い沖縄を知ることができたと思うし、県内の方はよりエンターテインメントを近く感じることができたと思います。こういう映画祭のステージを見てたら、そこに行きたいと思った子どもたちがいっぱいいたと思うので、それが一番の財産だったかな」と目をうるませながら話した。
宮沢は「僕もこの世界は長いので、続けることの大変さは知ってるつもりです。16回で終わることは映画祭の役割を果たして、揺るぎないものを作ったということ。これから若い世代が、この橋をどう使って沖縄を面白くするのか。みんなに伝えていきたい」と語った。
〇第16回 沖縄国際映画祭 島ぜんぶでお~きな祭2024