フィットネスブランド『VALX』が、プロテイン通販の領域で急成長している。立ち上げから4年が経つが、その確固たるブランディングの礎となっているのは、創業時から「株式会社レバレッジ」代表を務める只石昌幸の存在がある。
他社などのさまざまなYouTubeチャンネルへの出演を中心にメディア露出をおこない、継続的なファンの獲得に貢献し続けている。打ち出す事業を軒並みトップへと導いていく秘訣について、ニュースクランチがインタビューした。
一位を目指し続けている人だけが見える景色
株式会社レバレッジの代表取締役として、数々の事業をトップに導いてきた只石昌幸。自分が目指すものに関しては、全てで“一位”になることにこだわりがあるという彼に、その理由を聞いてみた。
「一位であることにこだわり続けていると、トップに立つためのあらゆるヒントに出合えるからです。実際に、朝起きてから目を閉じるその瞬間まで、常に一位になるためにできることを考えていたおかげで、言葉にできないような出会いやチャンスに恵まれました」
一位にこだわり続けた結果、どのような経験をしたのかについて聞くと、ひとつのエピソードを教えてくれた。
「起業する前は、『Amebaブログ』のグルメジャンルで、閲覧数一位のブログを運営していました。どうしたら総合トップになれるかを考えながら街を歩いていたとき、車から降りてくる『株式会社サイバーエージェント』の代表取締役である藤田晋さんを見かけたんです」
『Amebaブログ』を運営する会社の代表と偶然にも出会った彼は、どのような行動を取ったのだろうか。
「名刺を渡しにいったら、当時のハンドルネームだった『こだわり社長』の名前を知ってくれていたことがわかりました。“頑張ってね”と言いながら去ろうとする藤田社長に対し、追いかけるように僕が放った言葉は“あなた、間違っていますよ”でした」
相手は大企業の社長。一方で、当時の只石は一般人。なぜそのような発言をしたのか、続けてこう話してくれた。
「僕は続けて、いま『Amebaブログ』で閲覧数一位を取っているのは、芸能人ばかり。僕のような一般人がトップになれば、“自分でもできるかも”と新たな書き手が増えるはずです、と。そして、“だから、僕を公式ブロガーにしてください”とお願いをしたんです」
公式ブロガーになると、『Amebaブログ』から認定された影響力のあるブロガーとなり、認知度が上昇するなどのメリットを得られる。当時の公式ブロガーは、芸能人にのみ与えられていた称号だった。
「藤田社長は“キミ、面白いことを言うね”と笑いながら、その場を去っていきました。怒らせてしまったかと不安になっていたその日の夜、藤田社長から“公式ブロガーにしておいたから”とDMが届いたんです。こうして、僕は一般人初の公式ブロガーになりました」
公式ブロガーとして勢いを増した只石のブログは、約半年の期間を経て、数ある芸能人を抜いて総合トップを獲得した。その経験をもとにブログコンサルを始めたのが、株式会社レバレッジ立ち上げのきっかけだという。
「もし、藤田社長を見かけたとき、“ブログで一位を目指す”という気持ちを持っていなければ、挨拶をしただけで終わっていたと思います。だから僕は、常に一位になるために、何ができるかを考えながら日々を過ごしています」
他人を信じられるかどうかで人生の豊かさが変わる
只石は現在、フィットネスブランド『VALX』をトップにするべく活動を続けている。とはいえ、一位になるためには、個人だけでなく社員の力が欠かせない。
各所で『VALX』にかかわるメンバーは優秀だと語っている彼に、なぜ株式会社レバレッジには優れた人材が集まるのか、その理由を聞いた。
「大前提として、僕は人類みんな優秀だと思っています。日本人は謙虚だから、無駄に他人と比べてしまい、自分をダメだと思いこんでいるだけなんですよ。優秀な人のなかでも、僕が仲間として積極的に招き入れているのは、素直で熱くて、成功体験をもっている人です」
成功体験と聞くと、大きなことを成し遂げるイメージがあると話すと、只石からすぐに訂正の声が入った。
「成功体験とは、誰でもできるような小さなことでいいんです。そこに熱さがあれば、逆立ちができるようになったことでも、立派な成功体験だと言えます。我々はもっと、自分の今までの成功体験を素直に認めるべきなんですよ。
レバレッジの社員は、成功体験を力にして突き進んでいけるメンバーが揃っているため、僕が気づかぬうちにどんどん開花していっています。仕事を楽しむなかで“ お客さまを熱狂させよう”という気持ちも乗るので、うちの社員はますます優秀に見えるはずです」
続けて、優秀な社員が集まる理由に、社長としてのあり方が関係していることも教えてくれた。
「さらに言うと、僕が社員を信じられているからこそ、誰しもが伸び伸びと成果を出せているんだと思います。“お前はダメだ”とか、社員を信じない発言ばかりする社長のもとでは、良いメンバーは育たない。
社長の顔色ばかり伺っていては、お客さまのことを考えた仕事ができない社員になってしまうでしょう。社長が社員のことを信頼し、自由に考えて工夫をする“余白”を与えてこそ、優秀なメンバーが揃う会社になると断言できます」