フットサルチーム『FC45°』で汗を流す

おぎやはぎの小木さん率いる『FC45°』というフットサルチームが結成されて早2年近くになります。

このチームは『おぎやはぎのメガネびいき』という番組のスタッフさんを中心に、TBSラジオの裏方さん、そして僕たちカカロニやアルコ&ピースの酒井さんなど、芸人やタレントのメンバーを中心にした集まり。メンバーにはTBSラジオのスタッフさんの息子たちもいます。

▲チーム結成当初

遡ること2年近く前の初めての紅白戦。当時、中学1年生だった、とあるスタッフの長男くんが、得意のカットインで左サイドから何度も仕掛けてきました。大人かつ、かつては全国区の猛者たちとサッカーをしてきた僕、相方の栗谷さんにはバレバレのカットイン。

とはいえ、彼の父はラジオ業界では超有名なプロデューサーです。子ども相手ですし、「容赦なく(ボールを)奪うのもな……」と思いました。

そのとき「絶対右足!! そいつ右足しかないよ!! 右足!! 右足!!!」と指示の声が。

声の主はアルコ&ピースの酒井さんでした。酒井さんは徹底して長男を止め続けました。なんなら「はい余裕―!!」とか言っていたと思います。酒井さん、その子の父親は、あなたの雇用を握っています。

一方、僕たちカカロニはというと、その日、スタッフさんにはしない本気のディフェンスを少年にだけはしました。お前らも酒井さんと一緒じゃないか。たぶん彼は、すごくイヤだったと思います。

では、なぜそんなことをするのか。僕の頭の中には、こびりついて離れない光景があったのです。

ブラジルのビーチ。いろんな年代の少年から、僕のような観光客が混ざって遊ぶビーチサッカー。上手さが際立つのは、おそらくこれからクラブチームに所属するのであろう、小学校中学年くらいの小さな男の子。ボールが足に吸い付いていて、めちゃくちゃ上手い。

一方、僕ほどの身長もある青年たちは、たぶん遊びでしかサッカーをしてなくて、(それでも日本の初心者とは比べ物にならないレベルで上手い)少年より下手でした。

少年にかわされた青年たちは、圧倒的な足の長さの違いや反転のスピードで少年に追いついて、体を思いっきりぶつけてボールを奪い返します。腰が肩とぶつかるくらいの身長差で弾き飛ばすのです。僕はドン引きしました。

しかし、少年は何事か恨み節を喚きながら立ち上がり、泥だらけですぐにボールを奪い返しにいくのです。追いつくわけもないのに。

僕はこれを見て、“日本の育成年代が、モラルに囚われて足りないのはこれだ”と思ったのです。

初めて国際大会に出たユース年代の選手たちが、よく使うフレーズに、

「日本だったら出てこないところから足が伸びてきた」
「日本で体感したことのない強さだった」

があります。

いやいや、ブラジルのビーチのように、子どものうちから大人に本気でフィジカルを使ってプレーされたら、それに本気で勝とうと思ってたら、それに近しい経験はできるんじゃないの? と、そのとき思ったんです。

例えば僕でも、子ども相手ならアフリカ人並みの身体能力の差を見せることができるわけです。