2021コパ・アメリカ優勝で国際タイトル獲得!

前回はクラブで獲得できる全てのタイトル、個人タイトルを獲得したメッシ。だけど、アルゼンチン代表にタイトルを一つももたらせぬまま、31歳で迎えたロシアW杯でエンバペに引導を渡されたところまで書きました。

ここまで触れてきた国際大会は、(僕の贔屓目もありますが)輝いていたのはマークが集中するメッシよりも、むしろバイプレーヤーとしてどんな仕事も水準以上にこなし、勝負強さも備えたディ・マリアの方だった……そう思います。だからこそメッシorマラドーナ論争はいつまでも平行線をたどっていました。

そして迎えた2021年のコパ・アメリカ。メッシの脇を固めるプレーヤーはスター揃いだった同世代ではなくなっていました。メッシのプレーを見て、憧れて育った子ども達がピッチに並び立ったのです(14歳でプロデビューしたスーパーエリート同世代のアグエロもいたけど、それはまたの機会に)。

彼らは同世代のスター達とは違い、メッシとプレーエリアが被ることはあまりなく、メッシの分までハードワークすることを厭わないどころか、喜んでやる選手達でした。

そんな選手達が中盤で闘う中でも、ウイングの位置でチームを助ける仕事を続けるディ・マリア。このとき33歳。異常と言わざるを得ません。まだ走れるんですこの人。あと多分メッシの次に上手いです。

この大会、絶好調のメッシが躍動し、アルゼンチンは決勝進出。相手は2人の盟友でもあるネイマール率いる永遠の宿敵ブラジル。後日談ですが、メッシは準々決勝で足を痛めていたそう。それでもメッシはディ・マリアに言いました。

「この決勝は俺たちの90分になる」と。

言葉通り、この試合の決勝ゴールを生んだのはまたしても、ディ・マリアの左足でした。必殺の”妙技”ループシュートで、ついにアルゼンチンに、メッシに、国際タイトルをもたらしたのです。

〇【コパ・アメリカ 2021】公式ハイライト|アルゼンチン vs ブラジル | 決勝

優勝の瞬間にメッシの元に集まる若手達。そして、メッシに祝福に向かうネイマール。メッシを知る誰もが「メッシにタイトルを取ってほしい」。そう思っていることが見える試合後でした。

W杯を見に行くと、ライバルチームをあんなに嫌悪して貶すブラジル人ですら、みんな「メッシがNo. 1だ。あんなすごい選手いない」と言いますしね。

そんなわけで、この日もディ・マリアは主役ではありません。でも、もしディ・マリアがいなかったら……。そう世界中に思わせた活躍でした。

▲大学サッカー部のメンバーで大会に出る時は、2014アルゼンチンのユニフォーム。すがやはディ・マリア リスペクトで7番