CM出演やドラマ、映画出演など活躍が続いている俳優・高井真菜。2022年から2023年にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(テレビ朝日系)でのソノゴ役は、終盤6話のみの出演ながら大きな話題となった。

そんな彼女はどのように芸能界を目指し、どのように活動の幅を広げたのだろうか。ニュースクランチ編集部が聞いた。

▲高井真菜【WANI BOOKS-“NewsCrunch”-INTERVIEW】

桐谷美玲さんに会いたくて受けたオーディション

さまざまな作品に出演してきた高井の幼少期について聞くと、まず6人姉弟であることを明かしてくれた。

「うちは6人姉弟の次女なんです。姉、私、弟、妹、弟、弟で、姉と私は年子で。小さい頃から姉のマネをして、母親の手伝いをしたいけど、まだ小さいからとか、身長が足りないから、という理由でさせてもらえない。その記憶が残ってます。あと私は癖っ毛で、生まれたての頃はすごく髪の毛がクルックルだったんです。その写真を幼稚園くらいの頃に見て“これは私じゃない!”って泣いたり(笑)」

その頃から芸能界への憧れがあったのか聞くと、そうではないと首をふる。

「歌ったり楽器を演奏したり、音楽は凄く好きでした。小学校で歌を発表するときも、絶対に主旋律を取ってやる!って気持ちで挑んでました(笑)。でも、芸能界に対する憧れとかはなかったんです」

芸能界に入るきっかけが訪れたのは、中学生の頃だった。

「最初は桐谷美玲さんにお会いしたい一心で、ミスセブンティーンに応募したんです。その前の年、審査員席にいらっしゃったのを拝見したので。ただ、私が受けた年は審査員席におらず、私も面接で緊張しすぎちゃって、落ちちゃったんです。そこで、桐谷さんにお会いできなかったのも残念だったんですけど、力を発揮できず落ちた……ということに悔しさを感じている自分に気づいたんです」

最初は、桐谷美玲さんに会いたいという、若干の邪な気持ちを抱えていた高井。ただ、力を発揮できなかったという事実がどうしても悔しく「次の年も受けたい」と言ったそう。

「母は“ええやん、やってみれば?”って感じで、兄弟たちも“やりたいことをやればいいと思う”と言ってくれたんです。ただ、次の年もオーディションに応募したんですが、そこでは書類で落ちちゃって。そしたら、母親が“国民的美少女コンテストに送ってみれば?”と提案してくれたんです。自分の中では考えていなかった選択肢だったんですけど、送るだけ送ってみたら通って、芸能生活がスタートしました」

高井といえば、2022~23年にかけて放送されたスーパー戦隊シリーズ『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』でソノゴ役を演じたことで注目を集めた。

「『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』も大きな転機でしたが、フリーランスを一度経験したことも自分の中では大事な転機でした。というのも、事務所のありがたみが身に沁みてわかったからです。もちろん、事務所に所属していたときも感謝はしていたつもりだったんですけど、実務的なことも含めて事務所という存在の大きさがわかりました。

くわえて、フリーの期間、自分に今できることを改めて考えたり、本当にしたいことを見つめ直して、行動に起こす期間が1年半あったことが、とても実りのある時間だったと感じているんです。実際、結果的にその期間で『ドンブラザーズ』も決まりましたし、今の事務所も決まったので、とてもよかったなと感じています」

さらに、自分を俯瞰で見ることができたのも大きな収穫だったそう。

「自分の中では、“自分のことを自信がない”とずっと思っていたんですけど、フリーになったことで、自分の中で野心みたいなものが腐ってないのも気づけたので、それもよかったです」

ここまで聞くと、高井からは自己プロデュースの巧みさや、ストイックさが伝わってくる。なんでも、『ドンブラザーズ』への出演は自ら制作陣に掛け合って役を射止めたそう。

「いえいえ……自己プロデュースがうまかったら、もっともっと多くの方に知っていただいていると思うんですけど(笑)。自己プロデュースというよりか、私自身、うまくいかなかったことに関して、ずっと掘り下げて考えてしまう癖があって、そこは長所でもあり、不器用な所でもあると思ってます。

写真を撮るときも、“これは朝ドラのヒロインっぽい感じ”とか“これはオーディションがあったときのため”とか、きちんとテーマを持って撮っていただいてるんです。戦略家なんですかね…?(笑)。自己満足なのかもしれないですけど、ただ、納得いくまでやらなかったから落ちた、となるのがイヤなんです。それは、ミスセブンティーンに応募したときから変わってないです」

そんな彼女の息抜きについて聞くと、これも仕事の地続きの答えが返ってきた。

「いま一番楽しいことは、作品を見ているときですね。これも息抜きじゃないと笑われてしまうかもですが、映画・ドラマ・舞台・声優、そういう仕事をもっとしたいなと思っているので、息抜きをしながら勉強している感覚です。

お芝居のお仕事をさせていただくなかでも、やはり映画は映像の質感も含めて好きです。逆に舞台は個人的にはまだまだだなと思うところがあるんです。舞台は生ですし、一番前のお客さまと一番後ろのお客さまに同じように届けないといけない、そこへの強い意識も実力も自分にはまだ備わっていないと思うので、もっともっとお芝居の勉強していきたいなと思っています。

じつは、何かお仕事の役に立つかな、とバク転を習いに行ったこともあるんです(笑)。昔から体を動かすことは大好きなんですけど、お芝居の幅が広がるなら、いろいろ挑戦していきたいです」