筋トレ、体幹トレーニング、ランニングなど健康づくりのために生活習慣に取り入れたいけど、疲れていてそれどころじゃない。でも運動不足は解消したいと悩む人は多いはず。そんな中でもスポーツジムに通っていたのに挫折した人、膝や腰を痛めて運動から遠ざかってしまった人、そもそも運動することが苦手な人にオススメなのが“ウォーキング”。岩隈久志選手のトレーナーである木村匡宏氏と田邊大吾氏が、ウォーキングで身体と気分を整えることが出来た人の実例を紹介します。
※本記事は、木村匡宏/田邊大吾:著『24時間疲れない!最強の身体づくり』(ワニブックス刊)より、一部を抜粋編集したものです。
ウォーキングって楽そう!がきっかけでOK
歩き方が変わると人生が変わります――。
これは大げさに聞こえるかもしれませんが、決して過言ではなく事実なのです。ウォーキングに取り組んだことで、不調をかかえて、どんよりとした気持ちで毎日を過ごしていた人が笑顔を取り戻し、何に対しても積極的に取り組めるようになったという話が後を絶ちません。ただしそれはその人がどういう状況やモチベーションでウォーキングに取り組んでいたかはそれぞれ違います。実際に例をあげてお話しします。
「運動不足解消のため、手頃な運動としてウォーキングでもやってみよう」。そう考えたAさん(38歳・男性)は、ランニングでも、ジム通いでもなく、ウォーキングを選びました。はじめはランニングをやろうとも思ったのですが、たまたま週刊誌で、ランニングでもウォーキングでも、効果はそれほど変わらないという記事を見て、楽そうなウォーキングの方をやることにしたのです。
ウォーキングの素晴らしいところは数々ありますが、このように軽い気持ちではじめられて、しかも長続きできるところが大きいのではないでしょうか。「気持ちいい」という感覚は初日からでも味わうことができます。上手いとか下手とかで気を揉む必要はありません。結局Aさんは、身体のシェイプアップに成功し、その外見にもはや運動不足だった過去のイメージはどこにもありません。もっと本格的にスポーツがやりたいと、地域のソフトボールチームに入団しました。
雨の日は休む、無理しないで続けることが大事
「肩凝りがはげしかった」というBさん(35歳・女性)は、先輩にすすめられてウォーキングを試しました。もともと運動が嫌いで、スポーツする機会からは逃げてきましたが、お金もかからないし、歩くだけで肩凝りがよくなるのなら……と軽い気持ちではじめたのです。
効果は数日でありました。毎日リズム良く、気分良く歩いているうちに、仕事中も肩が少し楽に感じられたのです。その後続けるに従って症状は回復に向かい、2カ月もすると肩の凝りは完全になくなりました。体重も大幅に減り、身体に自信がついて、仕事にも積極的に取り組むようになりました。
「腰が痛くなってからスポーツをしなくなった」というCさん(50歳・男性)は、同じように腰痛で苦しんでいた同僚からウォーキングをすすめられました。当時、座りっぱなしの仕事は勤務時間がイレギュラーなことも多く、ストレスもあってか1年で8キロも体重が増えてしまいました。そのころから腰痛もひどくなり、何をするのもおっくうで、ずっと続けていた趣味のソフトボールにも顔を出さなくなってしまいました。行動パターンが内向的になり、「このままではいけない」と悶々としていたところでした。
Cさんはムリせずに続けるというスタンスでウォーキングに取り組みました。通勤前の朝の時間で、はじめは1日10分程度、雨の日はお休み。その後はだんだん時間を増やして、今は約40分ほど歩くのが習慣に。10カ月ほどたち、体重は6キロ落ち、腰痛も治ってしまいました。Cさんの仕事ぶりも変わり、精神的にも前向きに取り組めるようになったと言います。