粗品にYouTubeでイジられて
――今回、文章を書いてみて、ネタ作りとはどのような違いを感じましたか?
みながわ:ネタは普段、ゼロから相方と膝を突き合わせて考えるんで、やはり自分一人で書く、執筆という作業は、ネタ作りとは全く違って難しかったですね。特に、悪口を変換する、というのは普段からしている事だったんですが、それを膨らませる、というのがとても難しかったです。ただ、これも飛鳥新社の方が、一個一個、思いついたらすぐ送ってくださいと言ってくださったので、その言葉に甘えて書き上がった端からどんどん送って、そこでアドバイスなどをいただいて、書き上げた感じです。途中で、リアクションがあったからこそ、書き上げられたと思うので、そこも担当の方を含め、出版社の方には感謝しかないです。
――今回、悪口をポジティブに変換する、という書籍を出版されましたが、普段のみながわさんはどんな人間なのでしょうか?
みながわ:もともと、18歳で吉本に入ってるんですけど、その頃はネガティブだったし、イライラしていたと思うんです。でも、30歳前後あたりから、イライラしなくなりましたね。というのも、関西ってめっちゃ賞レースが多くて、数ヶ月に1回、同期や後輩が結果を出す姿を目の当たりにするんです。そういう環境に身を置いていたら、いつしかネガティブとかイライラの感情がなくなりましたね。そこから解放された瞬間に、このお笑いという世界はなんでも笑いにできるんやな、って心の底から思えて。
というのも、霜降り明星の粗品が同期なんですけど、粗品のピンネタで「ハズレの回のNGKの香盤表」ってフリップネタがあって、僕らがトップバッターやったんです。
――拝見してました。その事は書籍と関係ないですし、NGかと思ってました。
みながわ:ないない!ないです。全然何でも聞いて下さい。それ自体はイジられているから僕的には全然OKで、ただそのネタがYouTubeに上がった瞬間、それを見た人から「粗品が言ってた通り、おもんないな」とかSNSでめっちゃ攻撃されるんですよ。これをどうしたら、自分も美味しく、上手く返せるかな、って考えて、自分からもう言っちゃおう、って。「粗品のネタで、NGKハズレの回のトップバッターにされてました。正直めっちゃ悔しいです。次はハズレの回のトリになれるように頑張ります」って書いたんです。
――おおおお! 素晴らしいですね。
みながわ:それは周りの芸人にも“あの返しはええな”って言ってもらえたし、それを見た、叩いている人が少しでも“みながわっておもろいな”と思ってもらえたら勝ちというか。粗品も自分では言いたいことを言うけど、多分、ファンが僕を叩くことは望んでることじゃないと思うんです。劇場で会った時に“なんか言うてたな~”って言ったら、粗品も“ごめんごめん! また言うて良い?”みたいな。そんな感じなんで。そこできちんと返せないと、芸人をやってる意味ないな、と思うんです。
ロコディ兎に言われた言葉
――そうですよね、みながわさんの芸人としての矜持を聞かせていただいた気持ちになりました。これまで、この書籍を含めて、様々な人生の転機があったと思うんですが、自分の中で一番の転機と言えるできごとはありますか?
みながわ:先ほどの、ネガティブやイライラの感情がなくなった話もそうなんですが、この本につながっているな、と思うのは、ロングコートダディの兎さんに言われた言葉ですね。漢字検定準一級を持っているんですけど、その勉強を楽屋でしていたら、「何してんの?」って兎さんが話しかけてきて、勉強してます。って答えたら、「お前ってホンマに努力するよな、偉いよな、でもお前が努力しなくなったら終わりやからな。お前が努力してるの知ってるから、みんな面白いと思ってくれてるんだよ。お前なんか努力しなくなったら何の意味もないから」って言われて。
一見、キツい言葉に聞こえるんですけど、僕はすごく腑に落ちて。たしかに手ぶらで面白いこと言えるような芸人でもないし、粗品の話もそうですけど、周りが面白くしてくれる人間だと思ってるんで。常にみんなの評価する対象にあり続けよう、って決心しましたね。
――なるほど、みながわさんの人間が凄く詰まった話だなと思いました。最後に、2025年の目標をお聞きできますか?
みながわ:2024年は気象予報士の資格を取ったので、できれば2025年は仕事に繋げていきたいなと思います。あとは、やはりM-1ですかね。正直、資格は年齢制限のないものであればいつでも取れるんで、出場資格のあるうちに、M-1に向けて頑張りたいですね。
――M-1では、2024年の予選の漫才も、新しいことを模索しようとしていたので、2025年はもっと爪痕を残して欲しいですね。ちなみに、気象予報士は本当に難関だと思うんですけど、勉強法って…。
みながわ:それ、たしかによう聞かれるんですよ。もう、これは答えひとつ。効率の良い勉強法を探す暇があったら、机に向かいなさい。これです。僕は正直、1年半勉強して、勉強法も人によるな、と思ったんです。僕の場合、気象予報士の勉強をしている期間は、休みの日も外に遊びに行く事をせず、ずっと朝から晩まで勉強。劇場出番でも、“ありがとうございました~”ってハケたら、すぐ楽屋の奥で勉強。勉強においては、努力はしっかり実を結ぶな、と僕は思いました。
あと、一個だけいうとすると、時間で測っちゃいけないかもしれません。10何時間勉強した、と言っても、結局ダラダラしてしまうので。今日はここまでやる、という方が重要かもしれません。
![](https://wanibooks.ismcdn.jp/mwimgs/e/2/640m/img_e2d706bcb350b74075262767254ee850961462.jpg)
身長/体重:182cm /62kg
血液型:A型
出身地:京都府 京都市
趣味:動画投稿(TikTokフォロワー19万人) 勉強(塾講師の経験あり) ラジオ マラソン(自己ベスト3時間44分) サッカー(ゴールキーパー) Mr.Children
特技:ヨイショ芸(人を気持ちよくさせる) 嫌われ芸 雑学 早口言葉 漢字検定準1級 楽屋ニュース(色々な芸人さんの情報を話せる) 資格:気象予報士
X(旧Twitter):@navysdekkaihou