この朗読が好きになる入口になるかも!
――ここから後半です。第六夜を務めてくれたのは井澤美優さん。
石橋:これは本当に個人的な話なんですけど、私、ざわちゃんの声がすっごく好みなんですよ! だから、もう聴いているだけで耳が幸せになっちゃって、夜、ひとりで聴いていたんですけど、気がついたら、かなり序盤で寝ちゃってて、自分でもびっくりしました。
――朗読を聴いて寝てしまった、というのは褒め言葉なのか、どうなのか……なんとも不思議な感覚なんですけど(苦笑)。ただ、「好みの声」というのは、きっと、みなさんにもあると思いますし、この朗読が好きになる入口になる可能性だってあります。
石橋:最高の誉め言葉ですよ! 睡眠の質をあげてくれる声ですね。一度ではなく毎日でも聴きたい朗読だなって本当に思っているし、この企画だけで終わらずに、ざわちゃんが子どもたちに読み聞かせをしている光景とかも見てみたいなぁ〜。
――第七夜は江口心々華さんが登場です。
石橋:これはここちゃんにとって、あんまりいい意見ではないかもしれないけど……あのぉ〜、普段、ここちゃんとしゃべっているときって、あんまり滑舌がよくないっていう印象なんですね(苦笑)。そのイメージがあったから、朗読を聴いて「えっ、全然、違うんだけど! 滑舌いいじゃん!」ってびっくりしました。なんていうんだろう……『深い声』なんですよね。すごくよかった!
――たしかに最初に名前を言わなかったら「えっ、誰?」となるぐらい、声の感じも普段とは違うんですよね。新たな魅力発見、みたいな。
石橋:途中に「ほんまに」ってセリフがあるんですけど、それはひとりで聴いているときに思わずフフッと笑ってしまうぐらいかわいかったので、ファンの方はぜひ聴いて、確かめてください。絶対に「颯がフフッとなったのはここか!」ってわかるはずなので。ここちゃん、普段から朗読みたいに話したほうが絶対にいいよ!
――第八夜は、大内梨果さんです。
石橋:もうシンプルに上手! 声だけで表現すること、声だけで伝えることが上手なんだと思います。スーッと耳に入ってきて、物語の様子や景色がすぐに頭の中に浮かんでくるんですよ! そして、りんかの声で私の頭の中の映像が進んでいく感じ。
――6期生でまだパーソナルな部分を広く知られていない存在かもしれないですけど、この説明だけでかなり気になる存在になった人がすでにいそうです。
石橋:私にとっても意外な姿というか、うん、知らない部分をはじめて耳から感じたなって。声だけでこれだけ表現できるってことは、きっと演技とかもすごく上手なんじゃないかな? もっといろんな可能性を知りたくなりますね。
――第九夜は松永悠良さん。まだ学生真っ只中の方ですね。
石橋:いちばん説明するのが難しいかも……まず聴いてみてください(笑)。幼い子が朗読しているっていうのは、すごく伝わってくるんですけど、それなのに落ち着いていて、ちょっと大人っぽいところもある。普段、話しているときのイメージとはちょっと違うんですよ。
――7期生の松永さんはまだ15歳ですからね!
石橋:なんていうんだろう、すごく「儚い声だな」って感じましたね。物語が進んでいくにつれ“あぁ、もうすぐ終わっちゃう”って思ったとき、なんか、このままどこかにいなくなってしまうような感覚になって“お願い、どこにも行かないで!”って本気で思っちゃった。物語の世界に引きこんでくれたからこそ、そんなにせつない気持ちになったんだと思うし、たくさんの方に聴いてもらいたいです。
ーートリの第十夜を飾ってくれたのは、梁瀬鈴雅さん。
石橋:思ったより声が高くて、かわいい感じだったのが意外でしたね。みんな、すごく聴きやすくて耳にスーッと入ってくるんですけど、いちばん入ってきたのは鈴雅ちゃんだったかもしれない。だって、いちばん尺が長いお話だったんですけど、本当にアッという間に終わってしまったので。さすがだな、完璧に仕上げてくるなぁ〜って。
――梁瀬さんは歌やダンスはもちろん楽器もできてしまう才女で、本当になんでもできてしまう印象があるんですけど、だからといって朗読をこなしたって感じではなく、ものすごく丁寧に取り組んでくれたなぁ〜、と。
石橋:そう! すごくゆ〜っくりとじ〜っくりと落ち着いて読んでくれるから、聴いていて安心感と安定感があるんですよ。まるで親が読んでいるのを聴いているような感覚。これってすごいことだと思います!

――ありがとうございました! まさに「十人十色」というか「十人十声」ですね。メンバーのことをよく知っている石橋さんならではの解説はわかりやすく、興味深かったです。
石橋:私も大人になりましたねぇ〜。
――えっ???
石橋:何年か前だったら、きっと「うまいなぁ〜」とか「すごい!」しか言葉が出てこなくって、全員、同じ感想になっていたと思います(笑)。
――たしかに! 大人になりましたね。
石橋:それに取材中に遊んじゃって、まったく違う話とかをはじめてたと思う、アハハハ! ちゃんと最後まで脱線しなかったでしょ?
――しかも取材時間ぴったりにまとめる、というファインプレー。本当に石橋さんが適任でしたね。ただ、ひとつ、残念だったことがあって……。
石橋:えっ!? なんですか……?
――石橋颯の朗読を聴いてみたかった!
石橋:いやぁ〜、ちょっと悩んだんですけどね。じつは私、まったく本を読まないんですよ。
――もちろん知っていますよ(笑)。だからこそ意外性で聴いてみたかったな、と。全員が上手に読めなくてもいいんだし。センターをやって、写真集を出して、さらに音読までできたらアイドルとしてパーフェクトじゃないですか。
石橋:たしかに! でもぉ……本を読むのって体力がいるじゃないですか?
――えっ、体力が?
石橋:本ってすごく厚みがあって、それを見ただけで「あぁ……」ってなっちゃうし、本を開くと、たくさん文字があるから、本当に体力を使うんですよ。でも、今回、朗読を聴いてみて「あっ、その手があったか!」って。聴くだけだったら体力も使わないし、なにかほかのことをしながらでも聴けるじゃないですか? これなら本を読まない私でも楽しめます!
――しかもよく知っているメンバーが読んでくれている、という。純文学の入り口としては最高ですよね。
石橋:みんな素敵だったし、聴いているうちに「あぁ、私もやっておけばよかったかな」って思ってきました。これ、きっと、私だけじゃないですよ。ほかのメンバーも「次は私も!」って思っているはず!
――ソロ曲を歌うのと同じような話ですからね。『THE FIRST音読』がいろんなメンバーが輝ける新たなステージとして定着してくれたら、うれしいですね。
石橋:もしHKT48で第2弾があるとしたら、今度は私も朗読に挑戦します! みんなも聴きたいんでしょ、ウフフフ。第2弾が実現するように、みなさん、たくさん聴いて応援してくださいね。

『THE FIRST 音読』
Audible: https://www.audible.co.jp/series/B0F8HLFLBP
audiobook:https://audiobook.jp/booklist/2643