私が著者みたいな感じでチェキに!?
――若干の偏見も含みつつですが(笑)。かれんさん、特に読んで印象残ってる章とかありますか?
かれん:その最初の、肛門科医の先生と天ぷら屋さんに行く話で、行きのタクシーで料理長の話をいっぱい聞かされてたから、料理長の話が出てくるたびに、“人生をざっと把握されてしまった料理長”って言葉がめっちゃ引っ張られてて、まずそれが面白すぎて。私こういうの大好きなんですよ!

朝井:細かく仕込んでおいてよかった、過去の自分〜。
かれん:あと共感したのが、ダンスレッスンを受けるエピソードの中で、決めポーズ的なことをやるのに、そこに至るまでのパートを完璧にこなしてないと、決めポーズをやる資格がないんじゃないか?“みたいな話があって。
朝井:うわっ、現役アイドルの方にそのパートを読まれたと思うとめちゃくちゃ恥ずかしいですね!
かれん:でも普段自分もそう思ってるので。積み重ねがあってこその見せ場だぞ! って。すごく共感しました!
朝井:よかった! レッスンを受けて、アイドルの方々はあの一瞬のためにものすごい助走をされていることがよくわかりました。今回の対談が決まって、カラフルスクリームさんの動画を色々拝見いたしまして…。
かれん:え〜!! 本当ですか!?!?
朝井:私の世代的に、ももクロ(ももいろクローバーZ)がブレイクしていくときの熱量に通じるものを感じました。とにかく “だってこんなに動いてるんだよ!?”みたいな運動量からくる説得力による衝撃というか。その後冷静になってちゃんと聴いてみると、楽曲の種類が豊富でどれも素敵で。感情の描写と言葉遊びを両立している歌詞も素晴らしいですよね。私はハロプロを享受して育ったので、楽曲やパフォーマンス厨なところがあって、私たち本気です! という姿勢がステージからバンバン伝わってきたことに勝手に嬉しくなりました。
かれん:嬉しいです〜!!!
――今のアイドル界は、SNSのバズが起こらないとなかなかブレイクできない時代で、そういう側面は朝井さんの最新作の『イン・ザ・メガチャーチ』でも描かれてますが…。ライブが良いグループでも、SNSに注力しなくちゃいけないのは大変だな〜と思います。特に今回のかれんさんのバズは、自分や自分のグループのアピールとは全然関係ないという(笑)。
朝井:そうですよね。そういう中で、今回の件がかれんさんにとって何かしらのプラスになっていてほしい。私と出版社にとっては本当に有り難かったので、何だかいいとこ取りしてる感があって。
文春文庫担当の方:その後すぐに重版がかかりまして〜。
かれん:本当ですか!? 良かったです〜!!!!
朝井:だから、かれんさんにもプラスのことが起きていてくれないとマズイんです。
かれん:いやいやいや! やっぱりこのバズでXのフォロワーさんも1000人くらい増えましたし。あとこれキッカケでライブや特典会に来てくれる方もいるんですよ。この前面白かったのが、特典会にこの『そして誰もゆとらなくなった』を持ってきてくれた方がいて、私が持ってチェキを撮ることになって、“何か著者みたいになってない!?”って(笑)。
――朝井さんと『そして誰もゆとらなくなった』も、知らない間にファンダムビジネスの一部に(笑)!
朝井:新しい形の参入だ!
(2人が朝井さんの最新作=超問題作『イン・ザ・メガチャーチ』について語る回も近々更新!!)



Newsクランチ編集部
