リモートワークや外出自粛で、家で過ごす時間が増える今だからこそ、子どもと一緒に楽しめるのが「アナログゲーム」。『七つの大罪』や『進撃の巨人』などのゲームブック[ともに講談社刊]も手掛ける藤浪智之先生は、機械が相手ではなく、人同士で遊ぶからこその面白さがあるといいます。数多くあるゲームの中から「言葉」を楽しむ作品を紹介してもらいました。

こんなときこそ一緒に遊ぶ楽しさを

アナログゲームは人間同士で遊ぶため、ゲームのなかで、自然と会話やコミュニケーションが発生するのも楽しいところです。

なかには「プレイするのが人間」であることを活用したものもあります。会話や記憶力、あるいは発想力などが組み込まれた、まさに「人間ならばこそ」というゲームです。なかなか機械には代替できない(おそらく高度なAIでも難しい)もので、まさにアナログゲームならではのものといえるでしょう。

と、難しいそうなことを書きましたが、これらはプレイする人によって、その場だけの「名言」や「傑作の場面」が生まれ、それはゲームの勝敗よりも楽しい体験になったりします。

そんなゲームを紹介しましょう。

猫とチョコで危機を切り抜ける⁉

◎キャット&チョコレート

『キャット&チョコレート』は、さまざまな「危機的状況場面」に対して、手持ちのカードで切り抜ける方法を見いだすというゲームです。

▲『キャット&チョコレート』のカード

例えば、心霊現象が次々襲う幽霊屋敷を探索するという設定で、ある怪奇現象が襲ってきます。それを手持ちの「アイテムカード」を使って切り抜けるのですが、カードを提示して、どのアイテムをどのように使ったのかを、実際にプレイヤーが具体的に説明しなければなりません。

そして他プレイヤーの多数決で、その行動が成功するか否かが決まります。さて、あなたなら、どう切り抜けますか?

手に入るアイテムは無作為ですから運次第です。「生きる屍が襲ってきた」ときに「拳銃」や「ダイナマイト」があれば丁度よいのですが、そのようなことは滅多になく、「猫」と「チョコレート」で切り抜けるなんてこともしばしば。

頭をひねって使い方を考えることになります。(猫で注意を引き付ける? チョコレートを塗って魔法陣を消す?)ときには強引にこじつけたり、開き直ってウケをとるような行動をすることにもなるでしょう。

機転を効かせた使い方をして拍手喝采となることもあれば、爆笑を生むような珍行動になったりもします。どう見てもおかしい行動なのに、皆が妙に納得してしまい成功となることも。

ゲーム自体は、正体を隠したふたつの陣営が点数を競うという内容です〔これは、勝敗を競うためよりも「味方かもしれない」という状況にして、各プレイヤーの判定を公平にするための仕掛けでしょう〕が勝敗そのものよりも、ゲームのなかでの、行動を考えたり、他の人の行動を見ることこそが、大変楽しいゲームです。

『キャット&チョコレート』は人気シリーズで、幽霊屋敷のほかに『ビジネス編』や『学園編』『日常編』なども発売されています。こちらはより日常的な「危機的状況」で、大事な商談のピンチや、デートに遅れたときの言い訳などを、手持ちのアイテムで切り抜けていくことになります。

〇キャット&チョコレート 幽霊屋敷編(コザイク)[http://www.groupsne.co.jp/products/bg/bgdetail_1.html#ccghost

マンガのセリフを考えよう!

◎ヒットマンガ

『ヒットマンガ』はちょっと変わった「カルタ」のようなゲームです。「フキダシが空白になったマンガの一コマ」のようなものがカルタのようにカードになっており、読み手は「そのセリフを自分で考えて」言うことになります。

ほかのプレイヤーはそのセリフからどのカードかを推測して、カルタのようにカードを取り合うのですが、「読み札」が決まっているわけでなく、どんなセリフにするかは読み手次第というわけです。

どのカードかわからなかった場合は読み手の失点になってしまうため、わかりやすいセリフにする必要もあります。あまりに単純なセリフだと、複数のカードにあてはまってしまい、かといって、ひねりすぎると誰もわからなってしまうため、センスが問われることになります。

勝敗とは別に「マンガのセリフを自分で考える」という、他にない面白さがあり、ゲームのなかで、しばしば「名セリフのコマ」や「ありえないセリフ」が生まれるのも楽しいところです。

こういったゲームは、正規のルールに従ってのプレイがもちろん面白いのですが、ゲーム用のカードを無作為に引いて、切り抜ける方法や、セリフを大喜利のようにみんなで考える……というような遊び方もできるでしょう。そんな遊び方なら、オンライン通話などのリモートでもできるかもしれません。

不思議な生き物に名前をつけよう

◎ナンジャモンジャ

『ナンジャモンジャ』は不思議な生き物が描かれたカードをめくっていき、多く取ることを競うゲームです。

同じカードが複数ずつ含まれた山札をめくっていき、めくったカードが初めて登場したカードなら、その生き物に「名前」を付けます。そして同じカードが2回目以降に出たとき、その名前を言うことができたら、カードを取ることができます。

記憶力も問われるゲームですが、なにより自分で名前をつけることができるのが楽しいです。参加者のセンスと発想力で、傑作のネーミングやおかしな名前がしばしば生まれ、それが飛び交うことになります。

コトバってむずかしい

◎はぁっていうゲーム

『はぁっていうゲーム』は、「言葉の言い方」とコミュニケーションを扱ったゲームです。

日本語の「はぁ」や「ヤバイ」などの言葉は、使われる場面や文脈、あるいは言い方や表情によっても変化する、さまざまな意味を持つ言葉ですが、それが「どんな意味の『はぁ』なのか」を、実際に口で言って当て合うという内容です。

ひとつの言葉が、実にさまざまな意味を持つことを再認識できると同時に、難しいニュアンスを伝えるために、言葉使いや表情なども駆使して苦心することになります。

カードと言葉でつむぐ物語

◎のびのびTRPG

参加するプレイヤーの機転や発想力、会話の面白さといった要素をさらに進め、全員で即興劇のように、ひとつの「物語」を作っていくというゲームもあります。

『のびのびTRPG』は、そんな「参加者全員で、物語を作っていく」ゲームです。テーブルを囲んだトーク(会話)と、カードやサイコロによるRPGです。

各プレイヤーは、キャラクターを担当すると同時に、持ち回りでゲームマスター(語り手、審判役)も受け持ち、リレー小説のように場面ごとのストーリーを進めていくという内容です。

▲『のびのびTRPG』には「場面カード」と「PCカード」がある

さまざまな状況に対して、サイコロで判定したり、ときには解決のためのアイデアやセリフを考えることによって進行するのですが、ひとつの場面を解決すると、カードによって「何か」を得て、キャラクターは変化していきます。(それは、新しく会得した能力だったり、同行者だったり、あるいは明かされた秘密や運命だったりします)。

特徴的なのは、行動が成功した場合だけでなく、失敗した場合も「ネガティブな何か」(呪いの品や、厄介な同行者、獲得してしまった闇の能力など)を得られることです。このゲームにおいては「失敗」はペナルティや不正解でなく、等しく「参加者が体験した物語」なのです。

物語がどんな紆余曲折をへて、どんな結末を迎えるかは、参加したプレイヤー次第。ゲームのなかで、キャラクターにさまざまな能力や運命や過去がついていき「成長」していく姿がカードで視覚的に見ることができるのも楽しいところです。

上の写真は、現代を舞台に怪奇や伝奇を題材にした「ザ・ホラー」ですが、19世紀風のレトロな冒険を題材にした「スチームパンク」版もあります。

〇のびのびTRPG ザ・ホラー(アークライト)[https://arclightgames.jp/product/のびのびtrpgザホラー/

〇のびのびTRPG スチームパンク(アークライト)[https://arclightgames.jp/product/のびのびtrpgスチームパンク/

 

 STAY HOMEでもリモートでも、家族や仲間と楽しむことができるアナログゲーム。この機会に遊んでみてはいかがでしょうか。

<アナログゲームを取り扱う店 ※通販もあり>

すごろくや:https://sugorokuya.jp/
イエローサブマリン:http://www.yellowsubmarine.co.jp/

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