井上への愛、りんたろーへの愛

▲同業者を褒める照れくささもあるんです

ーーなるほど。そうした視点でタグを見るとさらに楽しめそうです。そしてタグの一番最後は、褒めるタグで気持ちよく締めると。ちなみにノンスタイル井上さんだけ、最後のタグが「空欄」なのですが……。

川島 本当に長所がないからです……というのは半分冗談で、やっぱり自分の中でも、最後のタグって同業者を褒める照れくささがあるんですよ。だから1回、何も書かないでやりたいなと思っていて。でもそれができる芸人って限られていますからね。ナダルくんでもいいんだけど、そう思ったときにはナダルくんの回は終わっちゃっていて。で、井上くんならこんな乱暴なシステムも受け入れてくれるし、炎上もしないなと。愛されるヒーロー井上くんしかいないと。

ーー信頼の上に成り立っているんですね。

川島 今回選んだ人も、誰でもいいわけじゃなくて、本当に自分が好きな人だけです。まず人として好き。その人のネタも好き。一緒にいる時間も好き、という。みんな仕事でも助けてくれるし、酒の席でも一緒になるような仲間です。だから「この人でやってくださいよ」と言われて、やるようなものでもないんですよね。

ーー今回の書籍化にあたって、新たに加わった芸人さんも多いですか?

川島 かまいたちの濱家くん、EXITのりんたろーくん初め10人ぐらい増えましたね。そしてインスタに登場した人たちも、本では全然違うタグに修正していたりしています。特に初期のダイアンのユースケ&津田くんとかは、ほぼほぼ新ネタ書き下ろしになっていて、面白くなっている自信があります。

ーー絞るのは難しいと思いますが、この人はぜひ見てほしいという芸人さんはいますか?

川島 それで言うと、さっき名前が出たEXITのりんたろーくんのところはぜひ読んでほしいですね。彼はインスタ、雑誌の連載でも載せていない。今回のラインナップは、基本的には自分と同世代の芸人なんですけど、りんたろーくんは数少ない若手。チャラ男ですけど、バリバリの昭和男。そんなキャラクターをタグで表現したので、ファンの方はぜひ見ていただきたいですね。

ーーりんたろーさんとの接点が意外でした。

川島 番組もそうですし、∞ホールでも一緒でした。昔のコンビのときから知っていて、すごい苦労してきたのを知っているから、今のブレイクが本当にうれしくて。本当に熱くてイイヤツなので、この本に入れたかったんですよ。

ーー川島さんの芸人愛が伝わってきました。ありがとうございました!