芸人仲間を、哀愁漂う写真とともにハッシュタグをつけイジる、ボケる、最後に褒め上げる。インスタグラムで話題を呼んだ、麒麟川島の「#タグ大喜利」が待望の書籍化。掲載される大喜利の数は、書き下ろしも含めて700近く「こんな濃厚な本はもう出せない」と本人をして言わしめる自信作となった。そんな川島にNewsCrunch編集部が直撃した。
タグをつけたら地獄みたいな写真に息吹が…
ーーこのハッシュタグ大喜利ってそもそもどんな経緯ではじまったのでしょうか。
川島 きっかけはインスタグラムに、寝室のエアコンを掃除したときの写真をあげてみたことからです。カビが泡の力によってポタポタと落ちていく様を見届けるというインスタグラムの世界観に全くそぐわない写真なんですが、これに「#ポケモンの対戦画面か」とタグをつけてみました。そうしたら8000を超えるイイねがついて、地獄みたいな写真にバンっと息吹がもたらされたんです。
次に、千鳥のノブとの打ち上げ写真にタグをつけたら、今度は1万イイねを超えてこれは間違いないなと。大悟にもやって、今のような形になったのはナダルからですね。
ーーなるほど。それでこのタグ大喜利の写真がとにかく「イイ」んですが、どんなことを意識して撮っていたんですか?
川島 喜怒哀楽でいうと“怒”と“哀”を撮ろうと思っていました。顔でいうと「かっこいい顔」を撮ろうと。笑顔だと“喜”になってしまいますけど、「かっこいい顔」だと怒りと哀愁、両方を表現できるんですよ。
ーー大喜利もレパートリーがすごいです。昔からかなり数をこなしているのでは?
川島 言われてみれば、うちの相方によくやってましたね。「無印の茶封筒」、「ライオンズマンションの側面」とか、「お前〇〇に似てる」と漫才の間に挟んだりしていました。これが元祖タグだったのかもしれないですね。とにかくタグをつける作業が好きなんですよ。
ーー今回のタグ大喜利も、各芸人さんに10個前後もタグがついていて。この順番とかも重要なんですか?
川島 野球の打線みたいに組んでいます。1番はつかみで広く共感してもらえるもの、4番は重いもの、5番、6番は自分の好きなもの、7番、8番は人じゃないもの……っていう感じでしょうか。