私たちも、かつては上司や先輩から指示を出され、それに従う身でした。あなたも若手の頃は「もっと分かりやすく指示を出して欲しい」「そんな言い方しなくても」など、そう思っていたことでしょう。部下には同じ思いをさせたくないですよね。そこで、マナーコンサルサントの西出ひろ子氏が、これだけは知っておきたい「部下に指示を出すときのマナー」を紹介します。

※本記事は、西出ひろ子:​著『知らないと恥をかく 50歳からのマナー』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

直後にひと言添えるだけでも反応が変わる

ビジネスシーンでは、部下への指示が付きものです。その指示に部下がどのように反応し動くかで、仕事がうまくいくかも決まります。

上司、部下といった立場に関係なく、誰かに指示を出すときは、思いやりの気持ちを忘れずに。

あなたが敬意を持って接すれば、部下も耳を傾けてくれます。そうなることで、仕事がスムーズに進み、職場の雰囲気もよくなり、あなたの評価もアップするわけです。

「何か分からないことがあれば、遠慮なく聞いてね」
「何か質問はあるかな?」

指示を出したあと、このような言葉を加えるだけで、部下は安心し、疑問点を尋ねやすくなります。結果、トラブルの発生率が下がります。

コミュニケーションをとりやすい環境を作ることも、上司としての役割であり、仕事のひとつ。まずはあなたから心を開き、声をかけ続けることが、部下の心の扉を開く鍵となるのです。

▲直後にひと言添えるだけでも反応が変わる イメージ:PIXTA

指示を出すときに押さえておきたいのは「伝わる言葉の選び方」です。「ものの言い方」「言い回し」と置き換えてもいいでしょう。 

自分では何気なく言った言葉でも、言葉の選び方で印象は異なります。部下の気持ちと反応も、大きく変わるということです。 

英語では「Sit down!」「Call me!」といった言い方は命令形ですが、前か後ろに「Please」をつけるだけで、依頼形へと変化します。「Please」のひと言を加えるだけで、相手が受け入れやすくなるわけですね。 

全体を「Could you sit down, please?」のように言い換えれば、より丁寧な言い回しとなり、相手にこちらの要望を聞き入れてもらいやすくなるでしょう。

内容は同じでも「言葉選び」で、その印象はぐっと変化するのです。