わが子から結婚の報告を受けたときは、さまざまな思いが湧き上がってくるでしょう。それと同時に、お相手のご家族とのお付き合いもスタートします。自分の子どものためにも品良く対応したいものです。マナーコンサルサントの西出ひろ子氏が、“これだけは知っておきたい”結婚報告から両家顔合わせまでのマナーを紹介します。

※本記事は、西出ひろ子:​著『知らないと恥をかく 50歳からのマナー』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

結婚式や結納も2人の意思に委ねる

結婚は家族同士の問題でもありますが、何よりも本人同士の問題です。お互いが真剣に結婚を望んでいるのなら、親としてそれを見守ってあげましょう。

年長者としてアドバイスを与えることも必要ですが、頭ごなしに否定するのはNG。

現代は結婚式のスタイルもさまざまですし、結婚のあり方も多種多様。大切なのは、どの選択をするかより「結婚をする二人が、どのように考えて何を望み選んだのか」に耳を傾けることです。

家系や地域によっては「仲人を立てて結納をすることがしきたり」というケースもあるかと思います。

しかしながら、ここでも真に大切なのは、当事者である2人がどう思っているのかです。まずは2人の気持ちや考え方を確認しましょう。

2人が「親しい仲間内だけのパーティーがいい」と考えているのなら、無理に披露宴を挙げさせることもありません。結婚後の生活や生計の立て方についても、きちんと確認したうえで、親としてできることをすればいいのです。

▲結婚式や結納も2人の意思に委ねる イメージ:PIXTA

「両家の顔合わせ」は、互いの気持ちがベストのとき

結婚が決まったら、お相手のご家族への挨拶も必要ですね。いわゆる「両家の顔合わせ」です。

こちらはできるだけ、早めに済ませたほうがいいといわれていますが、それぞれの状況に応じた形でかまいません。

肝心なことは、結婚をする本人同士が幸せになること。

その家族は、温かく見守る立場になりますから、顔合わせのタイミングも、両家の気持ちが心地よいと感じる、良きタイミングがベストといえます。子どもとお相手を通じて連絡を取り合い、お互いにとってベストな日程と場所を調整しましょう。

以前は男性が親を連れて、女性宅へ出向く形式が一般的でした。

現代は、そうしたしきたりや慣習よりも、お互いの気持ちを優先させる時代へと変化し、ホテルやレストランに集まり、和気藹々(あいあい)と食事をしながら「顔合わせ」をするケースも増えていましたが、以前のように自宅で行うケースも状況に応じてあります。