50歳を過ぎれば喪主として、家族や身内の旅立ちを見送らねばならないことも増えるでしょう。しかし、喪主としての振る舞いを、誰かが手取り足取り教えてくれるわけではありません。マナーコンサルサントの西出ひろ子氏が“これだけは知っておきたい”喪主としてのマナーを紹介します。
※本記事は、西出ひろ子:著『知らないと恥をかく 50歳からのマナー』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
子どもへの心のケアも年長者の役割
大切な家族を看取ったとき、悲しくても医師や看護師への挨拶は忘れずにしましょう。お世話になった医師や看護師には、しっかりお礼の言葉を伝えるのが、年長者としての役割でありマナーです。
入院が長かったり、在宅介護で訪問医療を受けていた場合などは、葬儀後に改めて挨拶に出向き、個包装の菓子折を手渡してもいいでしょう。なかには規則で受け取れない病院もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
贈り物に「掛け紙」をかける場合は、無地のものを選ぶのが無難です。
年長者であれば悲しいときでも、周囲のフォローをしなければいけない場面もあります。特に幼い子どもが臨終の場にいたら、放っておくわけにはいかないでしょう。
子どもを臨終の場や遺体から遠ざけるべきか、迷う人もいらっしゃるかもしれません。しかし、最後のお別れをさせることに、何ら問題はありません。亡くなったのが親であったり、かわいがってくれた祖父母であれば、なおのことお別れをさせてあげましょう。
子どもが死について質問してきたら、できるだけ丁寧に答えます。
無理に励ますよりも、その子の悲しみや怒りに寄り添うことが大切。手を握ったり、ハグをしてあげることも、安心感と癒しにつながります。
葬儀社を選ぶときは「慌てず、急がず」
臨終を迎えてから葬儀社を決める場合、ネットや電話などで時間の許す限り情報を集めて、冷静に比較と検討をしましょう。
しかし、どうしても検討の時間が作れなかったり、突然の訃報に混乱して、うまく頭が回らなかったりすることもあるでしょう。そのようなときは病院で紹介された葬儀社に、遺体の搬送と安置だけを依頼することもできます。
葬儀そのものは後日検討して、別の葬儀社に依頼しても問題ありません。
万が一のときのために、あらかじめ検討しておくことも現代では大事なことですね。