ネタでは緻密な設定と笑いで、トークでは切れ味の鋭い軽快さで、バラエティ番組では欠かせない存在となっているお笑いコンビ・さらば青春の光。今年7月からは、地元・大阪以外でのローカル初MCとなるバラエティ番組『となりのスターさん』(静岡朝日テレビ)もスタート。
『キングオブコント』では決勝進出を6回も果たし、毎年開催している単独ライブツアーでは多くの観客を動員するなど、精力的にネタに取り組んでいる。また「森東広告堂」を立ち上げて広告制作に取り組むなど、笑いを以外にも活躍の幅を広げている彼らに『となりのスターさん』やコンビの活動について語ってもらった。
※本記事は、『+act. ( プラスアクト )2020年9月号』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
芸人は欲しいんですよね、地方の冠番組
ーー第2回放送の収録を終えたばかりですが、今回はいかがでしたか?
森田哲矢(以下、森田) 面白かったですねぇ。冒頭と終わりが、ふわっとしてましたけど(笑)。
東ブクロ 毎回どんな人がおんねや、静岡には。って思いながら見るんですけど、そのハードルを超えてくるんで楽しみです。それに僕らは静岡に来て面白いVTRを見るだけ。こんな楽な仕事はないですよ。
森田 偉なりましたわ、僕らも。
ーー(笑)。番組のオファーを頂いた時は?
森田 まぁ……なんで俺ら? って思いましたよね。
東ブクロ 静岡に縁もゆかりもないからなぁ。
森田 ほんまにそう。接点が一番ないんちゃうかな? 47都道府県の中で。(マネージャーからの『元相方が静岡出身』という言葉に)あぁ、ほんまや! 俺の元相方が静岡出身やったんで、そこから結び付けてくれたんかな?
東ブクロ いやいや、それは絶対ないわ(笑)。
森田 ニュース出されたあと、色んな人から声をかけられました。パンサーの向井さんには『何あれ。なんで静岡の番組で、さらばなの?』ってちょっとやっかんだ感じで言われたり(笑)。
東ブクロ 芸人は欲しいんですよね、地方の冠番組が。地方に行きたい気持ちもあるから、冠番組があるのは嬉しいことなので。
森田 ただ、地方の楽しみって夜じゃないですか。僕らは朝イチに来て、昼イチには帰ってるので、静岡を全く堪能してないんですよ。
東ブクロ トンボ帰りやもんなぁ。
森田 僕、色んなところの古着屋さんに行くのが好きなんですけど、1回目の収録の帰り、新幹線が1時間に1本くらいやから時間があったんで、駅前の古着屋にはちょろっと行きましたけど。
東ブクロ 僕は味噌おでん食いましたよ。駅前のおにぎり屋さんで、おにぎりと一緒に。
森田 楽屋にある弁当食ってないの、バレるやろ? まぁ、来月の楽屋には味噌おでんが置いてあるでしょうね、出来るスタッフなら!
ーー(笑)。先ほど面白いVTRを見るだけとおっしゃってましたけど、収録を見させて頂いて、さらばさんのコメント力に頼っている部分が凄く大きいなと感じました。
森田 コメントを入れられる作りにしてくれているから、俺らはやりやすいですよ。スタッフさんも、スターさんのことをちょっといじったテイストのVTRを作ってくれるから言いやすいですし。
東ブクロ ロケに行ってるMUSÉの子達は、まだやりにくいんやろうなとも思うので、MUSÉの成長を見守る番組でもあるんやろうなと思ってます。
森田 あとね、フロアのスタッフが本番中にめちゃくちゃ喋る! 今日なんか収録中に揉めてましたからね。
東ブクロ それでも止めないのが凄い。ローカルならでは、というか。
森田 そんなんも含めて面白いですね。あと、ほぼ完パケで撮ってるから下手なことは喋られへんなというのもあります。変なスベり方はしたくないですから。
東ブクロ スベっても放送しよるからなぁ(笑)。
ーーローカル番組のMCは、元々おふたりの拠点だった大阪以外では初めてだということですけど、MCをやる時に心がけていることは何かありますか?
東ブクロ なんやろう? 今日は僕らふたりともカブり過ぎてるっていう、明らかな服装のミスがありましたね。ペアルックで出てるみたいでちょっと恥ずかしいなと、オープニングで思いました。
森田 上の青もカブってるし、パンツもカーキやしな。新幹線で会うた時点で、こいつカーキ色のパンツやんけって思いました。こいつは着替えないで出るんですけど、俺が持って来てる衣裳も水色やしなぁ。まぁ、ええかって思ってそのまま出たんですけど、来月はどうなるか。
東ブクロ ちょっと考えてまうよなぁ。
森田 敢えて同じでもいいでしょうね(笑)。まぁ、この番組はMUSÉもそうですけど、スミス(春子アナ)さんのことも、どんどんツッコんでいけたらなと思ってます。で、アナウンサーやけどポンコツっていうイメージを植え付けたい。声と語り口はいいんですけど、それ以外がポンコツなんで。
東ブクロ やりにくぅなってると思うで? 今辞めたら、確実に俺らのせいやから!
森田 なんも気にしてないと思う。気にせんでいいし。そういうところがスミスさんの魅力なので、どんどん突いていきたいですね。
ーーこの番組のMCもそうですが、最近さらばさんの活躍ぶりを見る機会が一層増えたような気がしていまして。
森田 あぁ、ありがとうございます。よく言われるんですよ、めっちゃテレビで見ますねって。けど、いやいや、あなたが見てる番組に出てるだけですよって思ってます。だって、ゴールデン(枠)の番組には全く出てないですから。
東ブクロ 深夜帯ばっかりやもんなぁ。
森田 うん。ありがたいっすけど、めっちゃ出てるって言われるのはちょっとだけ違和感がありますね。
ーー多くの番組に出ていると思うのは、印象に残っているからなんでしょうね。ご自身でプロダクション「ザ・森東」を立ち上げられたころは、それこそゼロからのスタートだったので大変だったと思いますが。
森田 最初は全部、仕事もなくなったのでね。当時付き合ってた彼女と同棲してたんで、その人に面倒を見てもらおうという覚悟だけはありました(笑)。
東ブクロ 僕はそんなことを考えられる精神状態ではなかったので……色々ありましたからね
森田 こんなやべぇタレントを抱えて、ようやってきたなと思いますよね。会社を立ち上げた時と、こいつがスキャンダルを起こした時はほんまに大変でしたけど、そこからなんとなく認知されてきて、色んなスタッフさんが番組に使ってくれて今のような感じになっていきました。
ーー今の活躍には『キングオブコント』や『M-1グランプリ』っていう、世の中の関心が高い賞レースで結果を残し続けたことも影響しているんじゃないかなと。驚異的な戦績によって、さらばさん=面白い芸人さんっていうイメージが世の中に浸透したように思っています。
森田 ありがとうございます。今言ったまんま、書いといて下さい!
東ブクロ 俺らの言葉じゃないけどな?(笑)
森田 いらない! あなたの評価でいいです!
ーーははは! では、書かせて頂きます。
さらば青春の光さんへのインタビュー記事は、8月12日発売の『+act. (プラスアクト) 2020年9月号』に全文掲載されています。
〇となりのスターさん(静岡朝日テレビ)