理由3 表示フォーマットの違い
もう一つの理由は、チャットアプリ独特の画面表示にあります。普通の文章であれば、一文一文は句点を使わなければ区切りが分かりません。
しかし、LINEではメッセージを打って送信ボタンを押せば、それが一ブロックになって区切りが分るようになります。またブロック内で文を改行したり、絵文字や「?」「!」を挟めば、句点が自然に省かれます。
筆者の友人の日本人は、絵文字を使うタイプではないのですが「おはよう」「おはよー!」「おは〜〜〜」のように「!」「~」「-」は、よく使うという人もいます。
理由4 句点を使うと冷たい感じがする?
若者の意識の中には「句点があると冷たい印象を受ける、会話を続けたくないと思ってしまう」というイメージもあるようです。
ツイッターでも、こんなつぶやきを発見しました。
「。」句点をつけるとつけないとで文章の優しさが変わる気がした。
— yke (@shie514) January 11, 2019
ツイの終わりに句点(「。」)を打つかどうかって感覚的に判断してるんだけど、つけない場合は私の中でまだ100パー言い切れない想いがある
— ロロイ (@meta_vacation) June 29, 2020
こうした意識差は、日本に限ったものではありません。欧米でも、SNSやチャットではピリオドが使われなくなってきています。
例えば2018年に、米国のビンガムトン大学で学生を対象に行われた研究によれば、「yeah.」のような肯定的な返事でも、ピリオドが付いているとあまり誠実でない返事に感じられる。また「nope.」「maybe.」のような返事は、ピリオドが付いていないものと比べて、否定的・消極的に感じられるとの結果がでました。[参考:「Punctuation in text messages may convey abruptness. Period」 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0747563217306192]
ちなみに、イギリス英語ではピリオドのことを「full stop」(終止符)と言います。まさにその名の通り、チャットで「.」を打つと「もうそれ以上何もいうことがないよ。完全停止だ」といった雰囲気を作り出してしまうのだそうです。「おはよう。」というLINEは確かに冷たく見えますね。