絵文字の一般的な使われ方は、身振り手振りや👌👍や表情😉😢をテキストメッセージに添え、相手に気持ち・感情を伝えることです。しかし最近では、コミュニケーションツールという枠を超えて、社会的問題に関わるようにまでなっています。

つまり絵文字は、現実の社会を映す鏡なのです。そして何か社会で大きな出来事が起これば、すぐに絵文字の使われ方に反映されます。今回は、こうした絵文字と社会の動きについて見ていきます。

絵文字はツイートの文字数を抑えることができる

今、世界中が注目する大きな出来事といえば、新型コロナウイルスのことでしょう。先日、世界保健機関(WHO)によってパンデミックが宣言されて、自粛を呼び掛けたり、学校を休校にしたり、入国禁止・制限をかけたりするなど、各国が対策に追われています。

こうした状況の中、コンパクトで見やすい絵文字がインフォグラフィックに活用される例をあちらこちらで見かけます。例えば、各国の感染者数をまとめたツイートや感染予防法を伝えるツイートなどがそうです。

○各国の感染者数をまとめたツイート

このツイートでは、地球の絵文字は世界の感染者総数、船の絵文字はダイヤモンドプリンセスでの感染者数、国旗は国別の感染者数を表しています。とてもコンパクトで分かりやすいですね。文字制限が厳しいツイッターでは、このように文字数を抑えられる絵文字が重宝するのです。

○コロナの予防法を伝えるツイート

こちらのツイートは、コロナの予防法をわかりやすく伝えています。面白いのが、本来の絵文字の使われ方と微妙に違うこと。

一行目にある🤦という絵文字は、本来は「失望・失敗」を表しますが、ここでは「顔を触る人」そのものを表していて、🚫禁止マーク+🤦で「顔を触ってはいけない」というメッセージです。

三行目の💪という絵文字も、本来は「頑張る」という意味がありますが、ここでは🤧くしゃみ顔+💪で、「ひじの裏側にくしゃみをしなさい」という使われ方をしています。