LINEやMessengerなどのチャットアプリからマル「。」が姿を消しつつあります。マル「。」は「句点」と言って、一文一文を区切る重要な役割を果たしていますが、若者同士のLINEのやり取りでは、打たない方が一般的なのだとか。それに対して上の世代からは「それが個性だと思っているのか? 国語で習わなかったのか?」など苦言も出ています。

なぜこういった現象があらわれているのか? 今回はその背景をいくつかのポイントに分けて考えていきます。

理由1 LINEのやり取りは文章ではなく会話

LINEのやり取りは文章ではなくて「文字化された会話」と捉えることができます。書き言葉の要素より話し言葉の要素が強い。主にPCやスマホで打ち込んで書かれることから「打ち言葉」と呼ばれることもあります。[参考:文化庁「分かり合うための言語コミュニケーション(報告)」2018]

このような打ち言葉のやり取りでは、短いフレーズや単語のやりとりが多く、句点がなくても不自然さを感じません。

▲句点がなくても不自然な感じは一切ナシ

理由2 LINEメッセージは時間節約が大事

理由1でLINEメッセージは会話だと書きました。当たり前ですが、リアルタイムの会話であれば、相手の言葉に対してすぐ返答をしますよね。LINEメッセージも即レスが求められます。そのため打ち言葉では👍や🙆などメッセージを絵文字だけにしたり、略語を使ったりするなど不要な要素をなるべく省いて、簡潔でスピーディーなやり取りができるような工夫が見られます。

略語は若者世代にかなり浸透しています。

例えば、昨年の Simeji ランキング「10 代女子が選ぶ 流行りの若者言葉・略語 TOP10」
では1文字の「り」(「りょ」と略されることも)という略語がトップを飾りました。

10代女子が選ぶ 流行りの若者言葉・略語 TOP10
1位:り
2位:パリピ
3位:タピる
[出典:https://simeji.me/simeji-ranking/backnumber/2019_05/

他に「おつ」(漢字で「乙」と書かれることも)や「あね」など、謎の略語も。みなさん、それぞれどういう意味か分かりますか?

  • り → 了解
  • おつ → お疲れさま
  • あね → あーなるほどね

ここまで少ない文字数に略してしまうと、句点がない方が自然ですね。