万舟券を夢見てビールをゴクリ

ボート場で飲む。これ以上に楽しいことがありましょうか。私は無類のボート好き。ギャンブルといえばボート。だって馬の考えることなんてわかるわけがないでしょう。競馬に熱を上げている人の気が知れません。

だったら、ボートは当たるのかって。ああ、いやだいやだ。なんでそんな野暮なことを聞くんでしょうね。当たらないから楽しい。恋愛と一緒で、勝利の女神が振り向くまでが楽しいんですよ。

▲ボートレースはスタートに特徴があります

私は休日を使ってボートレース平和島に来ました。ボートレースってのは6艇の船がヨーイドンで競争して、その順位を当てる賭け事なんです。競馬は18頭が出ることもあるけど、ボートはわずか6艇。じゃあ当たるかといえば、当たらない。なんで当たらないのかと、自分に問えば。欲をかくからだってわかってる。

▲みんな真剣な眼差しです

詳しい説明をすると、長くなるから一言で言ってしまうと、ボートレースってのは、内側の船が圧倒的に有利なんです。だから、内側の1番艇に強い奴がきたときは、もちろんそいつがかなりの確率で勝つ。じゃあ、それに賭ければいいじゃないかと言うあなたに私は問いたい。本当にそれでいいんですか、と。

レース直前の予想時間に、私は大きな夢を見るわけです。コーナーを曲がる瞬間に、強い風が吹いて波しぶきが上がるのではないか。1番人気の舟が独走体制になったときに魚が跳ねて順位を落とすのではないか。私は手元の100円が1万円に化けるような舟券ばかりを買ってしまう。だから私はギャンブルが弱いんです。

▲「牛もつ煮込み」---これ以上の惹句はありますまい