▲『ワースポ×MLB』キャスターの山本萩子さん

60試合という異例のシーズンとなったMLB(Major League Baseball)ですが、緊迫感あふれる試合が続き、日本人選手の活躍も話題になっています。そんなMLBの最新情報を毎日伝える『ワースポ×MLB』(NHK BS1)は、選手たちのプレーやチーム戦略などに踏み込んだ解説やデータ分析で迫ることで、野球ファンから好評を博しています。

同番組でキャスターを担当(毎週月~金曜日)している山本萩子(しゅうこ)さんに、MLBの魅力や番組の見どころについて、たっぷりとお話を伺ってきました!

※編集部より:今回のインタビューは「三密」を徹底的に避けて行いました。

日常に野球があることのありがたさを感じています

――新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が収まらない中で、MLBは7月24日(日本時間。以下、同じ)にようやく開幕となりました。まさに異例のシーズンとなりましたが、ここまでご覧になられて、どのように感じていますか?

山本 選手やファンの皆さんのいろんな想いや関係者の方々の努力のもと、やっと開幕したシーズンだと思います。60試合という短いシーズンなので、もちろん寂しさもあるんですが、それ以上に、難しいシーズンを戦っている選手たちや関係者の方々への感謝が強くて。毎日1試合1試合、すごく貴重なものを観せていただいているという気持ちです。60試合という短いシーズンということで、いつもとはまったく違う戦い方になると思うんですが「ならでは」の戦術もあると思いますし、日常に野球があることのありがたさを強く感じますよね

――当たり前だった日常が、いま目の前にある喜びですね。

山本 はい。だからこそ、待ちに待ったシーズンが開幕したときは、嬉しくて仕方がなかったですね。

――開幕から約20試合が経過しました〔※取材当時〕。ここまで選手たちのパフォーマンスをご覧になられていかがでしょうか。

山本 開幕に向けて、選手の皆さんは調整がすごく難しかったと思います。実際、例年よりケガが多いのかなってすごく心配しています。『ワースポ×MLB』では、開幕前に日本人選手を中心にリモートでインタビューする機会が結構あったのですが「先が見えないところへ向かって調整することの難しさ」を、皆さんが口を揃えて話していらっしゃって、想像を超える困難がやっぱりあったと思うんですね。もちろんベストパフォーマンスを観たいですが「無理はしないでほしいな」という気持ちも正直あります。

――いざ試合に出るとなったら、選手たちはやっぱり無理しちゃいますよね。

山本 プロなのでそれはあると思います。そんな中で「なんとかケガだけはしないで!」と毎日祈りながら観ていますし、60試合+ポストシーズンをなんとか無事に駆け抜けてほしいですよね。今シーズンは健康上の理由でプレーできない選手もいますし、マイナーの選手はプレーする環境すら奪われてしまいました。常に危険と隣り合わせの中で、戦うことを決めてくれた選手たちなので、その姿が見られるだけでありがたいなと感謝しています。

――先ほど日本人選手をリモートで取材されたとのことでしたが、あらたに秋山翔吾選手(レッズ)、筒香嘉智選手(レイズ)、山口俊投手(ブルージェイズ)が海を渡りました。日本人選手の試合を追うだけで大変ではないですか?

山本 もう毎日チェックしなきゃいけない人が多過ぎて……幸せな悩みですよね(笑)。朝起きて、かならず3試合は観ますし、どの試合も最初から最後まで観ることにしています。それだけでは追いきれないので、MLBの公式サイトも隅々までチェックしていますが、24時間ではちょっと足りないですね