ナショナルリーグの中部地区の激闘に注目してほしい!

――24時間では足りない! たしかに3試合をフルに観るだけで10時間ほどかかります。ちなみに、大谷翔平選手が所属するエンジェルスは西海岸が本拠地なので、試合は視聴しやすい開始時刻(午前11時頃)ですよね。大谷選手のここまでについてお聞かせください。

山本 マウンド復帰した7月27日の試合(1アウトも取れず5失点)については、大谷選手本人がもちろん誰よりも悔しいと思うんですが、私も悔しくてしょうがなくて、しばらく立ち直れないぐらい落ち込みました。それでも今シーズンは「打者に専念する」と発表した日にホームランを打ちましたよね! 2018年もトミー・ジョン手術を公表した日にホームランを打ってくれましたが、解説の黒木知宏さんも「心配して損しちゃったよね(笑)」って、前向きな意味でおっしゃられて。「プレーで証明する」なんていうフレーズがありますが、それを本当にやってくれる選手。二刀流についても、最初は疑問視する声のほうが大きかったのに、2018年は実際にプレーで証明しました。きっと大谷選手は、今シーズンも私たちの想像を超える活躍をしてくれると思います。

――さらなる活躍を期待したいですよね。そして、その他の日本人選手では、秋山選手を番組で取材されていました。

山本 はい。1月に下田の自主トレに足を運び、取材をさせていただいて、その後にリモートでもお話を伺いました。秋山選手は、あえて不安を口にするという印象があります。もともと真面目な性格だと思うのですが、不安に感じている部分をしっかり自分の中でかみ砕き、反省を積み重ねて、これまで結果を残してきたのだと感じました。

MLBでは試合に出たり出なかったりという難しい環境下で、守備でも素晴らしいプレーがありました。これからも試行錯誤しながら、秋山選手も積み重ねてきたものをしっかり発揮してくださると思います!

――やっぱり、日本人選手が活躍してくれると一日の気分が違いますよね。続いて、メジャーリーグ全体を見渡したときに、20試合経過したところで注目のチームをご紹介いただきたいのですが、いかがでしょうか。

山本 『ワースポ×MLB』では、開幕がなかなか決まらない期間に「チーム名鑑」というコーナーで、時間をかけて各チームを紹介しました。結果、私はすべてのチームへの思い入れが強くなり過ぎてしまったんですが(笑)、アメリカンリーグ中部地区ではホワイトソックスに注目しています。投打にわたり本気で補強をして「勝負の年だ!」と思っていたんですが、スタートダッシュとはなりませんでした。ただリーグ屈指の打線なので、ここからの巻き返しに期待しています。

――ありがとうございます。ナショナルリーグは、どのチームに注目していますか?

山本 ナショナルリーグは、中部地区に大注目しています。今はダルビッシュ有投手が所属するカブスが頭ひとつ抜けていますが、ブルワーズが少しずつ追い上げてきました。そしてコロナ禍の影響で、カーディナルスは28連戦の真っただ中ですが、もともと底力のあるチームなので、勢いに乗って大きな連勝もあると思います。そこに秋山選手が所属するレッズもありますから、最後の最後までもつれるのではないでしょうか。特にカブスとカーディナルスの古豪対決は、いつも盛り上がるのでぜひ注目してほしいです。

▲ナショナルリーグのことを誰よりもアツく解説する山本さん

――正直な話、ナショナルリーグの中部地区を推してくるのは意外でした。イチローさんや松井秀喜さんの活躍もあり、日本ではアメリカンリーグが好きな人が多い印象があるからです。ナショナルリーグだと野茂英雄さんや石井一久さん、そして前田健太投手が所属していた西部地区のドジャースに注目が集まりがちなので、山本さんのオススメは新鮮です!

山本 中部地区は強いチームが多いですし、素晴らしい内野手が多いんですよ。カブスのハビエア・バイエズ選手は、メジャーリーグの面白さをぎゅっと凝縮したような選手だと思っています。カーディナルスだと、やっぱりポール・デヤング選手。両選手ともに打撃はもちろんのことショートの守備が本当にスゴいんです。あと同じくカーディナルスのコルテン・ウォン選手も素晴らしい選手で、デヤングとウォンの二遊間の連携は観ていて本当に面白いです。