各地で外出自粛が呼びかけられているが、家での晩酌は安心感から飲み過ぎてしまう人も多いかもしれない。深酒した翌朝、身体を整えるには味噌汁の具は“しじみ”が良い。お酒が好きな人なら知っている豆知識ですが、医学博士である飯沼一茂氏によると、さらにオススメな食材があるという。その食材2つを紹介しよう。

※本記事は、飯沼一茂:著『それでは実際、なにをやれば免疫力があがるの?』(ワニブックス刊)より、一部を抜粋編集したものです。

「きのこ類」には驚きの免疫向上成分があった

健康的な生活を送るために必要な免疫力を上げるために、とにかく食べてほしいのがしめじをはじめ、椎茸や舞茸、ひらたけ、えのき茸、エリンギなどの「きのこ類」。

たとえば、食物繊維が豊富で便秘の解消に有効。腸内環境を健全に維持する働きを持つかと思えば、ごはんやパン、麺類といった炭水化物の代謝に必要なビタミンB1を含有しているため肥満防止の役にも立つ。おまけに低カロリーでヘルシー……。

と、これだけでも食べる意味は十分にあるのですが、きのこ類を食べてほしい真の理由はそれではありません。免疫システムを活性化するβグルカンが豊富に含まれているからです。

βグルカンとは食物繊維の一種であり、胃腸で消化・吸収されることなく腸内の免疫細胞に働きかけます。どういうことかというと、免疫を司る白血球の中でも主役級のマクロファージやリンパ球を刺激して、活性を高めてくれる。つまり、免疫システムを強化してくれるというわけです。

昨今の研究によると免疫細胞の中でもとりわけ「がん」を攻撃してやっつけてくれるNK細胞を元気にすることもわかっています。それほどにきのこ類は免疫向上に有効な食材なのです。

“しめじ”には飲み過ぎに有効な成分オルチニンが7倍 イメージ:PIXTA

“しめじ”には飲み過ぎに有効な成分オルチニンが7倍

βグルカンは「きのこ類」以外にも大麦やパン酵母菌、そして黒酵母菌由来のものがあります。なかでも黒酵母菌由来のβグルカンは免疫細胞を活性化させるだけでなく、ほかにも多様な効果が認められています。

その一例を挙げますと、「肌の老化を予防して、肌年齢を10歳も若返らせる」「アトピー性皮膚炎の改善」「糖尿病の症状の軽減」「リウマチによる痛みの解消」「ストレス性による脱毛症の改善」などなど、ここには書ききれないほどの、さまざまな改善効果に期待が集まっています。

ちなみに「しじみの味噌汁」が飲み過ぎに有効とされるのは、しじみに含まれるオルニチンが肝臓の機能を助けてくれるためですが、実はきのこ類にもオルニチンは豊富。それもしじみの約7倍もの量が含まれていますから、いずれにしても「しめじの味噌汁」の圧倒的勝利なのです。

味噌汁に“わかめ”は欠かせない食材だった

味噌汁には欠かせない食材といえば“わかめ”。日本人は昔から、わかめや昆布などの海藻類をよく食べてきました。ところが、現代は食の欧米化が進み、海藻を食べる機会が著しく減少しているとか。これはとてももったいないことです。なぜなら海藻には免疫力を高める効果が非常に高い「フコイダン」が豊富に含まれているからです。

フコイダンとは海藻独特のヌメリ成分であり、水溶性食物繊維の一種。海藻はヌルヌルとした成分を粘膜のように身にまとうことで外敵から身を守っていますが、こうした粘膜の機能は人間にもありますよね。

フコイダンは鼻や口、喉などの粘膜の細胞を強化して細菌やウイルスの侵入を防ぎ、さらには全身の免疫細胞を活性化してくれるのです。さらに近年の研究によるとフコイダンががん細胞を専門に攻撃するNK細胞を活性化させることが明らかに。つまり、がん予防に効果を発揮してくれるというわけです。

味噌汁に“わかめ”は欠かせない食材だった イメージ:PIXTA

もちろん、海藻はもともと食物繊維が豊富であるため、腸内環境を整えてくれるという意味でも、免疫力の向上にうってつけな食材です。しかも、わかめや昆布、海苔、もずく、めかぶなどなど種類が豊富ですから、さまざまな料理にして楽しめるのも海藻の魅力です。

昆布でだしをひいて味噌汁を作るもよし、わかめにドレッシングをかけてシンプルなサラダにしてもよし。海苔は甘辛く煮つけて佃煮にして常備をしておくのもおすすめです。とにかく、何はなくとも毎日食べたい食材なのです。