新型コロナウイルスの感染が世界中に広がっている。病気を予防するには体調管理も大事なので、日々の食事から気をつけていきたい。リンゴとバナナは風邪で食欲がない時だったり、ダイエットのためだったりと、日本人が口にすることが多いフルーツ。医学博士である飯沼一茂氏によると、体の免疫力を高める効果もそれぞれに期待ができるという。

※本記事は、飯沼一茂:著『それでは実際、なにをやれば免疫力があがるの?』(ワニブックス刊)より、一部を抜粋編集したものです。

リンゴには弱った粘膜の炎症回復効果がある

風邪で食欲がない時に食べたいのが“リンゴ”。特有の「リンゴポリフェノール」を含んでいて、高い抗酸化力があって免疫細胞を活性化。細菌やウイルスに対する抵抗性を抜群に引き上げてくれるという働きがあります。また、リンゴには多くの酵素が含まれていますが、そのうちの一つに「炎症回復」の酵素があります。

風邪やインフルエンザになると喉の痛みや鼻水・鼻詰まりが生じますよね。これは喉や鼻の粘膜に炎症が起きているサインであり、そのまま放っておくといつまでたっても治らない、ということに。

そんなときリンゴを食べると炎症で弱った粘膜を元気にし、病気の回復をサポートしてくれるのです。風邪をひいたときに「リンゴのすりおろし」を食べるといった民間療法がありますが、まさにあれは理に適った方法といえます。

リンゴはほかにもコレステロール値をコントロールするペクチンや、善玉菌のエサとなるオリゴ糖などをバランスよく含んでいますから、風邪をひいたときだけでなく、日常的に取り入れるといいでしょう。

私のおすすめは「リンゴ・にんじんジュース」です。免疫力向上に有効なリンゴに、高い抗酸化作用のあるβカロテンを豊富に含むにんじんを組み合わせることで、免疫の要である白血球の中のマクロファージを活性化させ、免疫力を底上げしてくれます。ジュースを作るときは、皮をむかないことがコツ。皮の近くにこそ有効成分が多く含まれていますから、一緒にミキシングしてください。

熟成したバナナには白血球を増やす効果が5倍

バナナもまた健康に有効な食材です。たんぱく質の代謝に不可欠なビタミンB6や善玉菌のエサになるオリゴ糖、また美容に欠かせないビタミンCも多く含み、美を追求する女性にとって頼もしい味方です。ただ、免疫力を高めるためには選び方が大事なポイントです。

おすすめは黄色くて若々しいバナナではなく、茶色い斑点ができた古いバナナ。この斑点を「シュガースポット」と呼び、見た目はあまり良くないものの文字通り甘味が増した証拠であり、こうしたバナナは白血球を増やす効果が若々しいバナナの5倍も高くなるといわれています。もし、スーパーに黄色バナナしかなければ、そのまま常温に放置すれば次第に熟成が進むはずです。