「簡単に見つかるオアシスは蜃気楼」という真理
でも、朝から「打つぞ!!」って、気合を入れてやってきた男の気合いは違いましたね。こうなるとパチスロ打ち、ダメですね。ありとあらゆる自分に都合のいい理由を付けて、打ち続けようとする。
何回、天国移行をスルーしたかもわかりません。「いやいや、1/2なんだからハズし続けることもあるよ」とか。「今これを捨てて本当に6だったら、どうするんだよ!」とか
……多分、1なんだけど(大爆笑)。
ようやく初回の天国に上がったのは、午後8時くらいだったと思います。こうなってくると、さすがに俺も悟ってはいるんですけど、心のどこかで認めたくなかったのか、意地になっていたのか。
それで、ようやく天国モードに移行して、そこからやっとまとまった出玉が少し返ってきました。とはいえ1000枚~2000枚くらいだったと思います。お金をどれだけ入れたかは正直覚えてないけど、きっと、全然足りてなかったんだろうな。
その途端ですよ。お店の店員が煽り始めるんですよ。今まで一回も僕の台には触れもしなかったのに、マイクパフォーマンスを始めます。そうですね。当時はマイクパフォーマンス、まだまだ普通でした。
「さぁー、爆弾札のバベルから連チャンスタート!! おめでとうございます!! 当店の爆弾札は設定1or6。皆さんご存じ、パチスロの基本『設定6は出る出る、1は出ない』。出たということはどうなのか!? さあ、お時間お許します限りジャンジャンバリバリと、お出しくださいませー!!!!」
さすがに意地になってた僕ももう苦笑するしかないよね(笑)。「てめえ、これ1じゃねーか」って(笑)。いや、わかんないけどさ。もしかしたら超ヒキ弱の6だった可能性も0ではないけどさ!!!
でもね、やっぱり1だったんだろうというのを裏付けるのにふさわしいことが、この日、起こっていたのですよ。バベルのコーナーには、もう一台、爆弾札だったバベルがありました。そっちがどうなっていたか、知りたくないですか? 僕の打っていたバベルは、おそらくは1だろうという結果に終わりました。となると、そっちが6だった可能性もあるんじゃないか、ってね。
もう一台のバベルはなんと。
……俺が9時ころにヤメるまで、当たりナシ。ハマリゲーム数にして約2800ゲーム。天井は1296ゲームです。天井を大幅オーバーしている。つまりこれは何を意味するかというと。ストック、飛ばされてたんでしょうね。もしかしたら、ストックを飛ばしたうえで6が入っていた可能性もありますけど。
※注) バベルは設定1~6まで、ボーナスそのものは高確率(合算1/120)でストックをしており、通常運用しているとストックは貯まっていく一方となるが、放出率に設定差をつけて出玉調整をしている台でした。普通に考えると、いくらストックを飛ばされても2800もハマることはないハズなのだが、どこかの配線でも抜けていたのもしれない。
連チャン抜けでやめて帰って、一人で冷静になったときに「俺は何やってたんだろ」って思ったよな。大反省会の始まりです。そういうお店だったんだなとも思いますし、勝手に期待して爆死したんですからね。「簡単に見つかるオアシスは蜃気楼」とはよく言ったもんです、はぁ。給料返して。なんてね。
この日、僕は「お店の信用」だとか「設定の入れ方」みたいなカテゴリの話を、ちょっと覚えた……のかもしれません。そっからはどんな札が刺さってても信用も動揺もしなくなりました(笑)。あの日の反省があったからこそ、冷静になることも覚えたのかもしれませんね。パチスロを打つにあたって「過度な期待は禁物」なんですよ、ほんと。
「数百人が並んだ店で、入場1番を引いてしまったがために、朝イチに座った台の挙動もよくないのに、止めるにやめられなくなった」なんて話はよく聞きますからね(笑)。