漫然と日々を過ごしていても生産性は上がりません。成果を出している人は、社会への貢献というしっかりした意味付けのもと、シンプルで効率的なことをしています。歯科医師として世界のトップレベルの人々と多く接してきた井上裕之氏が、最短・最速で結果を最大化できる行動の大切さを話してくれました。
※本記事は、井上裕之:著『効率がすべて』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
ボーっと1日を過ごしていませんか?
ただただ漫然と日々を過ごしていても、生産性は上がりません。1日を過ごしながら、何を成し遂げるか、成し遂げているかということを常に意識することが大切です。
哲学者であるアンリ・ルソーは、こう語っています。
「生きるとは呼吸することではない。行動することだ」
私自身、生活を営んでいくことよりも、その生活のなかで「何をするか」ということが重要だと考えています。
「毎日、仕事を頑張っている」という人もいるでしょう。しかし、自分の意志で仕事をしていないのであれば、それは漫然と生きてしまっているのと同じです。
質のいい行動ができていない人は「なんのために自分は生きているのか」を考えてみてください。生産性を高められないか、そう突き詰めていくべきです。意味のある行動をしなければ、目標は達成できません。
人生のなかで、ムダにしていい1日などないのです。目標を達成する人は、常に自分自身で考えて、生産性を高める行動を積み重ねていきます。生産性の高い1日を過ごすか、生産性の低い1日を過ごすかは、行動の質によって決まるということを忘れてはいけません。
常に、自発的な行動を心がけておかなければ、達成につながる価値ある1日は過ごせないのです。生き抜くことよりも、何をして生きるのか、ということが大切なのです。
希望ある未来は人の良心の中だけにある
自分が社会に貢献できたときに、人は喜びを感じることができます。行動の質が高い人と低い人の差は、やるべき行動の選択を行なう際に、社会への貢献につながるかどうか、という視点が入っているかいないかで生まれるのです。
社会への貢献など、きれいごとだと言われるかもしれませんが、貢献するということは、他者に価値を与えているということなので、行動の質もそれだけ高いと言えます。より多くの価値を、より多くの人に与えるということは、すなわち自己実現ができていくということです。
さらに、社会へ貢献するということは、より多くの人が幸せになるための行動をしているということですから、希望のある未来をつくっているとも言えるので、回り回ってその恩恵は自分も享受できるのです。
医師で哲学者でもあるアルベルト・シュバイツァーは、こう語っています。
「希望ある未来は、人の良心の中だけにある」
成功者の多くも、社会に価値を与えることの大切さを述べています。これが結果を出す人が従っているルールなのです。
結果がなかなか出せない人というのは、常に自分のためにだけ行動してしまいます。この行動は自分の目標達成につながり、かつ、世の中のためになるのか、ということを考えることがないのです。
大きな価値のある、意味ある行動を選んで行なう、という視点が抜け落ちているのです。「なんとなく」「とりあえず」というあいまいな感覚で、目の前に来た行動を漫然としていても、いい結果が生まれるはずがありません。