ほくろを5秒見つめるだけでもいい

集中したいときに、他者から集中を遮断された、関係ないことが頭に浮かぶ、心配事があって集中できない、という場合にも「一点シール法」を使うとうまくいきます。

「一点シール法」はとても手軽な方法です。しかし、手元にシールがないという場面も当然あるでしょう。プレゼン中に緊張感が増してきて注意力が散漫になってきた、試験会場にシールを忘れてしまって心細い、など「一点シール法」が使えない場合もあります。

そんな場合はどうすればいいのでしょうか。いつもやっていたルーティンができなければ、習慣が崩れるということですので、不安になり、集中できなくなるものです。

ただ「一点シール法」の目的を考えてみれば、シールがなくてもどんなときでも集中はできます。「一点シール法」は、一点を集中して見つめるということで集中状態を生み出します。つまり、一点に焦点を合わせて5秒見つめることができれば、シールではなくてもかまわないのです。

では「一点シール法」のかわりにどんなことをすればいいのでしょうか。シールがなくなったり、忘れた場合には次の2つの方法のどちらかを試してみてください。

  1. 手のほくろを見つめる
  2. 紙にペンで点を書き、見つめる

とにかく一点を決めて、焦点を合わせ見つめることです。見つめる点をつけたり、つくった後は「息を吐きながら5秒間」そこに焦点を集めて、視線を集中させてみてください。

▲ほくろを5秒見つめるだけでもいい イメージ:PIXTA

たとえば、イチロー選手は打席に入る前にバットを集中して見ています。他にも、グローブに書かれている文字の一点を見つめるという投手もいます。

あなたも、仕事や勉強で集中するために「一点を見つめる」ことを行なってみてください。とにかく、ここぞというときに視点を一点に集中させさえすればいいのです。この一点さえ決められれば、集中状態はつくり出すことができます。

どんなときも、あわてないことです。シールがないとしても、まずは一呼吸置いて、冷静になって見つめる点を定めてください。

ここでご紹介した方法は、手軽で簡単なものです。だからこそ、繰り返し行なってみて「自分は集中できる」ということを実感してください。この実感を積み重ねることで、集中の習慣もついていくのです。