「これや! 決まった」その次の日に・・・

――すべてがハマった感じですね。サラワットとタインを描くうえで、気をつけているポイントなどありますか?

奥嶋 サラワットは、ひたすらカッコ良くですね。だから、しんどいというか、時間がかかりますね(笑)。

僕が描く、一番カッコいいキャラクターにしないとダメなんで。だから描いてて、1話目の最後のコマがあるじゃないですか。あれも描いて「これや! 決まった」となって、で、次の日に「いや、これカッコ良くないな」っていう感じで(笑)。 まだまだいけるぞ、みたいな(笑)。

▲『2gether』 第1話より ©ジッティレイン/奥嶋ひろまさ/ワニブックス

――結局2パターンになってましたよね(笑)。

奥嶋 その間に3つ、4つくらいやったのかな。

――え~、そんなにたくさん描いたんですか。

奥嶋 正解がわからないくらい、とにかく美男子を目指す感じで……。

――入り込みすぎちゃった感じですね。

奥嶋 そうですね。だからサラワットは、見た人が全員が好きになるキャラクターじゃないとダメなんで、私のタイプじゃ……は許されないんで。とにかくミスは許されんって(笑)。

――アスリートみたいな感じですね(笑)。

奥嶋 それくらい。結局ドラマ『2gether』のサラワットに、みんな恋をしたと思うんですけど、漫画でもう一回、恋をさせないとあかんので。そんなキャラクターを描かなあかんので、大変なんやなって(笑)。

――素晴らしいと思います。タインについては、どんな感じだったんでしょうか?

奥嶋 ほんまに周りにいる友達みたいな感じの可愛い、みんなが人として好きになるみたいなキャラクター。それはもう、人としてその魅力が出てる、みんなタインのことを好きになる、みたいな可愛らしいキャラクター。ビジュアルじゃなくて性格の良さとかで、なんか好きになるキャラクターにしたいなと。

▲『2gether』 第1話より ©ジッティレイン/奥嶋ひろまさ/ワニブックス

――たしかに、人としての魅力をタインには感じますね。ちなみに、これから描いていくうえで楽しみなキャラなどいますか?

奥嶋 僕はもうマンですね、マン。ビジュアルも好きだし。たぶん、自分の描いてきた漫画に出てきたようなキャラやと。

――たしかに(笑)。 もう真骨頂と言いますか、奥嶋先生のマンすごく楽しみですね。逆に、ちょっとどう描くか、迷っていたキャラっていたりしますか?

奥嶋 グリーンですね、やっぱり。ビジュアルが(ドラマと)全然違う感じになったので、すごく心配だったんですが、好意的に受け入れられたみたいで、ちょっと安心しました。

――そうですね、小説とドラマもちょっと違うので、そういった意味では、原作を踏まえて、なおかつ奥嶋先生の演出するキャラとして、ちゃんと成り立っているという感じがします。

奥嶋 ありがとうございます、あれが一番心配やったので。

――『2gether』で、自分と近いと思うキャラなどいますか?

奥嶋 自分と近いキャラですか(笑)。やっぱスターギャングのどいつか、みたいな感じじゃないですかね(笑)。なんか、ひやかしたり、周りでわちゃわちゃするみたいな。

▲『2gether』 第1話より ©ジッティレイン/奥嶋ひろまさ/ワニブックス

――フォン・プアク・オームの3人も奥嶋先生が描かれる漫画に、とても合うキャラですよね(笑)。ドラマに小説、そしてコミカライズと、いつもと違うプレッシャーはありますか?

奥嶋 いやー、プレッシャーだけです。こんなにもプレッシャーあるかっていう感じです。僕も原作のファンなんで、漫画を読んだ人がドラマや小説にいってくれたらいいなと。ファンとしての気持ちの方がちょっと勝っています(笑)。仕事というよりは、その魅力をどう伝えようかって。

――それぞれの橋渡しっていうことですね。

奥嶋 そうですね、そんな感覚の方が大きいかもしれないです。