自分が楽しみなのは「喧嘩シーン」

――今まで描かれていた作品との違いや、意識的に変えているところみたいなのはあったりしますか?

奥嶋 線とかは、自分の中では綺麗に描いていたりします。僕、描くのが早いんですが、今回はかなり一本一本に気を使ったりはしていますね。あとは絵の見やすさ、あんまりガシガシと描き込まず、電子配信なので小さい画面で見たときに、あんまりぐちゃぐちゃしていても仕方ないので、1ページのバランスっていうんですかね、意識しながらやっています。

――これから話は進んでいきますが、描くのを楽しみにしているシーンはありますか?

奥嶋 1話目でフリができたので、サラワットとタインの距離が縮んでいく感じ。サラワットが、まあグイグイくるじゃないですか(笑)。あれを早くやりたいなっていう。あとは、あれですかね。軽音部のライブのイヤホンのシーンだったり、あとは喧嘩シーンもちょっと出てくるので! 喧嘩シーンは描きたいですからね、楽しみです。

――奥嶋先生が描く喧嘩シーンは楽しみです。ボーイズラブっていうことで、大事にしていることってありますか?

奥嶋 僕自身は、ボーイズラブを描くって、むずかしいな……と。なんかね、自分が今まで普通に描いてたもの、友達との距離感とか会話とか、僕の好きなところがBL好きの人が「これ、BLやん」って言ってくれてたんで、なんか僕の好きなことをちゃんと描ければいいのかなって。

男臭さっていうよりかは、こういう男同士の関係いいよね、みたいなのを普通に描ければいいのかなと。そこに色っぽさをどう乗っけていくかっていうのは、ちょっとまだ……、その辺は担当編集さんの女子目線の協力を(笑)。

――ちなみに、ボーイズラブでキュンとくる仕草ってあったりしますか?

奥嶋 仕草とかはあんまないんですよね。ただなんか……友情とかって、なんかこう無くなっていくじゃないですか、高校時代あんなに仲が良かったのに、あんまり合わなくなったなぁ……みたいになっていく。その昔の友情のまま、どこまで俺たち行けるんやろう、みたいなのが僕のBLなんすよね、BL感というか。

――どちらかというと、ブロマンスに近いっていう感じですね。

奥嶋 そうですね。

――学生時代の不思議な関係性や男の子たちのわちゃわちゃ感などは、奥嶋先生だから描けるっていう気がします。

奥嶋 さっき、他社の編集から電話かかってきて「合ってますね」と褒められました。

――それはうれしいですね!

奥嶋 いやー、うれしいですね、本当に。

――奥嶋先生は、他にも『入浴ヤンキース』(双葉社)や『同棲ヤンキー』(秋田書店)など連載をされていますが、切り替えとかってどうされているんですか?

奥嶋 あんまり切り替えとかないんですよね。さぁやるぞ、みたいな。

――混乱しませんか?

奥嶋 そういや、違うキャラクターを下書きで描いているときがありましたね(笑)。気がついたら主人公の顔が、違う作品の主人公の顔になっていて、違うわって(笑)。

――下書き時点で気づいてよかったですね(笑)。仕事とプライベートの切り替えはどのようにされてますか?

奥嶋 そうですね。仕事時間を決めちゃっているんで、それ以上はしないっていう感じです。まぁ、ネームがあるときは夜もやりますが、基本的には19時には仕事は終わって、家に帰って家族でご飯食べて、みたいな感じです。

――仕事場とご自宅は別なんですね。

奥嶋 別ですね。そこが切り替えのタイミングみたいな感じです。

――いよいよebookjapanで第2話(前編)の配信日が近づいてきました。『2gether』ファンや読者に向けて、メッセージをお願いいたします。

奥嶋 僕もファンなので、その『2gether』への愛が、みなさんに伝われればいいなって思います。遊びじゃねえぞ、本気だぞっていうのが伝われば(笑)。

▲『2gether』への熱い想いが溢れるインタビュー(リモート)となりました!

――バシバシ伝わっていると思います! 奥嶋先生、今日はお忙しいところありがとうございました。

原作小説の邦訳版1巻も発売前重版で話題となり、11月16日には完結編の2巻、そして3冊目の『special』(すべて小社刊)も12月9日に発売。

そしてスピンオフ特別編『Still 2gether』が、WOWOWで12月に放送が決定し、これからも目が離せない『2gether』。コミカライズでも、彼らの物語が盛り上がっていくこと間違いなし! 注目の第2話(前編)は、12月9日ebookJapanにて先行連載、pixivコミック・ニュースクランチ・ニコニコ漫画でも順次連載予定。