こんにちは。風野又二朗です。

2020年。最後の連載コラムとなりました。今年の2月から始まりまして、当初は意気揚々とロサンゼルスと東京を行ったり来たりしながら、日本とアメリカの文化の違いについて書いていくぜ!なんて掲げていたんですけども。

まさに、そのスタートした2月ぐらいから海外への渡航が暗雲立ち込めまして、それでも続けなきゃとカメラロールを振り絞りながらロサンゼルスの事を書いてはいたものの、日本は緊急事態宣言、世界はロックダウン。そして、一番のオススメとして書いたラスベガスのショーは閉まってしまいました。

そんな中、ロサンゼルスに行った際は行ってみてね!なんて書いたところで、行けないし、行ったところで開いてないというね。知ってもどうしようもないコラムになりかけていました。

いやぁ、あの時はパラレルワールドの世界を書いているんじゃないか、という気持ちにさえなっていました。

ロサンゼルスの事も日本の事も書けないし、どうしよう。そんな時、頭の中で私が尊敬する作家、宮沢賢治の言葉が思い浮かびました。

『雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ』

そう!そうじゃないか!いつだって逆境に立たされてきた私にとって、ピンチはチャンス!立ち向かおう!という事で、このコロナ禍の中、エンタメの最前線で戦っている方達と対談していく!という方向に舵を切りました。

今年は、お二人と対談しました。まだまだ対談したい方達がいるので、楽しみにしていてください。

▲風をあつめて、巻き起こす

2020年を振り返った時、一番思い出すエピソードとしては『原宿でスカウトされた』事です。

11月のある日、代々木公園をロケハン〔事前に撮影する場所を探す事。ロケーションハンティングの略〕した帰り道、ちょうど明治神宮から原宿の交差点に向かって歩いていた時に声をかけられました。

『芸能に興味ありませんか?』

今でも忘れられません。とても嬉しくて、めちゃめちゃ嬉しかったくせに、COOLに「興味ありませんね」って返しちゃいました。お断りしちゃったんですけど。数メートル先まで歩いて、せめてどこの事務所かは聞くべきだったなと思いました。

美人マネージャーズ3人に、うかうかしてると、又二朗引き抜かれちゃうよ!ってマウント取った発言をしたんですけど、へええ(真顔)って感じで全然信じてくれてないんですよね。困ったものです。

仕事の事で振り返ると、やはり、1年半ぶりにTBSラジオ『風をあつめて』を放送する事ができた事でした。

▲風をあつめて、巻き起こす

ゲストの綾野剛くんとは10年以上の関係ではありますが、普段ホイホイと会う関係ではなく、振り返ると本当に大事な局面の時に会ったり、話したりという関係なので、このラジオもまた、いつか振り返った時に【とても大きな意味のある日】になるんだなと思いました。

そして、このラジオのおかげで、ますます、風野又二朗って何なん、よく分からないやつ!ってなった気もします。私も知りたい、何なのか。

さて、今、ドラマや映画、あるいは舞台もそうですが、制作の現場はやはり去年とは一変しました。もちろん、今までもみんな一生懸命やってきた訳ですけど。明日の朝、発熱したら現場に行けない、止めてしまうという緊張感のなか、私生活も含めて行動するのは、これは今までなかった事だと思います。

だからこそ、以前よりもグッと入り込んだ緊張感のなかでやれている事もありますし、この状況をプラスに変えていこうとやっています。

必ずそういった目に見えない『気』みたいなものは作品に乗っかりますし、この時代だから生まれたものは、以前よりも作品が上がっているはずです。

私も自分が参加する作品では、自分の力で作品を押し上げる事ができるように、頑張っていきたいと思います。

風野又二朗は、たくさんのカルチャーに影響を受けてきました。

宮沢賢治が好きで、細野晴臣さんが好きで、はっぴいえんどが好きで、嵐が好きです。風の又三郎が好きで、風をあつめてが大好きです。

2021年は、出会いの年にしたいと思っています。まだ出会った事のない人、モノ、出来事に出会えるかと思うとワクワクします。

自分一人では何もできないけど、人とモノ、今そこで起きているさまざまな出来事を大切にしていきながら、たくさんの風を集めたいと思います。そして、その集めた風で、みんなで嵐を巻き起こせたら最高だな。そんな事を夢見ながら来年も頑張っていきたいと思います。

皆さんにとって、2021年が良い年になりますように。そして良い風が吹きますように。

風邪ひくなよ!元気もりもりでいこうぜ!

良い年をお迎えください。それでは、又、風の吹く日に。

『風をあつめて、巻き起こす』は、次回2021年1/1(金)更新予定です。お楽しみに!!