たった100円が心の安定剤に

2020年5月、ウーバーイーツの配達員を震撼せしめる出来事が起こりました。なんと! 配達員に対するチップ制度が導入されたのです。

配達料確認画面に「✅」マークが表示されると「チップ●●円を含む」報酬となり、テンションが爆上がりするというわけ。

▲100円のチップがついている。得した気分になります

 チップは注文金額の5%~20%、もしくは任意の金額を配達パートナーに直接支払うことができるシステムで、1円から、上限は注文金額の2倍となっています。

私の経験でいうと、平均してチップをいただける割合は10%程度。金額は100円前後といったところでしょうか。朝から夜まで配達していると1~2回、多いときで3回ほどもらえるという感じです。金額でいうと丸一日働いた場合、収入が1万円前後で、チップは300円程度といったところでしょうか。

「1日働いて300円では、チップをもらったところで意味がないのでは?」と思う方もいるかもしれません。ですが、実際に自転車で走りまくっていると、チップに対するさまざまな気持ちが感じられ、仕事に対する励みになります。今回は、そんなチップにまつわるお話です。

私が普段配達している港区や中央区には、比較的裕福な外国籍の方が多く暮らしています。チップ文化に馴染んでいるので、デリバリーした際にチップをいただける可能性が非常に高い、というか、これを当然のことだととらえていますよね。 

▲欧米では当たり前の文化 イメージ:PIXTA

海外ではチップの相場は10~20%と聞いたこともありますが、もらえるだけでありがたいですし、その気持ちがうれしいんですよ。配達料だけでは稼ぎが物足りないなと思っている時にチップが加わると、いい感じの収入になるのです。

はたから見ると「たったの100円」ですが、配達員が感じている「ちょっとした収入への不満」をチップは埋めてくれるのです。

ちなみに、以前紹介したフーターズの食べ物を注文する、高層ビルの最上階にお住まいの方からも、この秋、またしてもフーターズのチキンを運ぶ依頼が入り、当然のようにチップをいただきました。お店で料理ができるまでの間、店内にいるパッツンパッツンで胸の谷間が強調されたユニフォームを着た店員さんを、ガン見できたうえにチップまでいただけるとは。あの方は、私にとって神に近い存在です。

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