コロナ禍というハードルをひとつずつ飛び越えていった

残念ながら、この直後に新型コロナウイルスが蔓延し、4月以降のライブやイベントはすべて中止となってしまった。しかし、ゆづはなの2人は、この悔しさを糧にSTAYHOME期間もコツコツと努力を続け、その成果は6月以降、再開されたライブでしっかりと花開くことになる。

先日、渋谷の『BAG ONE』にて、市川優月と小島はなのオンライントークバトルを開催したが、お題こそ“小島はな問題”や“BBQ問題”といったおバカなものではあるけれど、3月20日に悔し涙を流した2人が、たった2人で有料のイベントを開催し、そこにたくさんの視聴者が集まってくれた。それだけであの日のリベンジがちょっとはできたんじゃないかな、と思ったし、ある意味「2020年に間に合った」と言える。

もちろん、2人の成長がなかったら成立しなかったイベントではあるけれども、こうやって『毎週アメフラっシ!』という連載を一度も休まずコツコツ継続できたことで、飛躍の場を設けることもできた。あのオンライントークバトルの成功は、僕たち編集サイドにとっても「続けてきてよかった!」と、心から感じることができる至福の瞬間であった。

6月以降のライブに関しては、この連載のバックナンバー、そして1stフォトブック『With』に掲載されている「鈴木萌花LIVE分析レポート」をぜひ読んでいただきたい。6月・7月・8月と、月イチペースで続いたライブすべてが成功に終わったことで、アメフラっシは見事に波に乗ることができた、ということだけはここに記しておきたい。

ものすごく当たり前のことのように思われるかもしれないが、コロナ禍でみんなが集まってのレッスンすらも困難になり、まるまる3か月間、ブランクが空いてしまった。そんな過酷な状況を考えたら、毎月、しっかりと結果を残していくというのは、なかなかできることではない。

「空白の3カ月間」に力を蓄え、その成果をステージで発揮する……それができたのはコロナショックに襲われる前から、2020年を勝負の年と捉え、すでに臨戦態勢にあったことも大いに関係していると思う。

僕は4月の時点で「2020年にブレイクしなければ間に合わないアイドル」というタイトルをつけてしまったことに「申し訳ない」と反省してしまっていた。ライブすらできない状況が続いたらブレイクどころか、現状維持だって難しい、と。

だが4人はそんな不安を軽々と飛び越えていった。

11月に開催された2周年ライブでは、そのパフォーマンスで観客を圧倒し、とてつもない満足感を与えてくれた。

このライブに関しては、詳しく書こうと思ったら、どうしても2週分が必要になってくるので、この連載でも取り上げることができなかったのだが、“2020年のアメフラっシ”のすべてが詰まっているステージだったと断言できる。来年1月から掲載予定のメンバーのソロインタビューのなかで、このライブの話はしっかりと掘り下げていきたいと思う。